クラシック、オペラの粋を極める!

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2021/7/20 霧島国際音楽祭1(バッハ・コレギウム・ジャパン)

2021年7月20日  霧島国際音楽祭(バッハ・コレギウム・ジャパン)  川商ホール
指揮  鈴木雅明
ヴィヴァルディ  ヴァイオリン協奏曲集「四季」より「春」、「夏」、「秋」
バッハ  管弦楽組曲第2番、ブランデンブルク協奏曲第5番


一見、「BCJがお贈りする古典の名曲コンサート」みたいなプログラム。四季だけでなく、管組もブランデンブルクも、各組曲の中で特にポピュラーな曲がピックアップされている。

だが、その演奏や解釈は、さすが古楽集団らしく、個性的かつ専門的だ。
例えば四季なんか、イ・ムジチの演奏とかに耳慣れているライトなお客さんたちは、もしかしたら違和感を抱いてしまうのではないか。
でも、この演奏こそ、BCJのこだわりであり、追求の成果なのである。
そもそも、演奏の順番からして、「春」→「管組2番」→「夏」→「ブランデンブルク」→「秋」という並べ方自体、考え抜かれたこだわりである。ヴィヴァルディとバッハの関連性、つながり、融合を図ろうとする意図は明白だ。
更に、どの曲もコンチェルトの様相を呈していて(四季はヴァイオリン、管組2番はフルート(フラウト・トラヴェルソ)、ブランデンブルクチェンバロ)、巧みなソロ演奏の妙味によって、今回のフェスティバルを飾ろうという仕掛けなのである。


ナビゲーターとしてマイクを手にした鈴木さん。昨年はBCJ創立30周年という記念すべきイヤーだったのに、コロナでそうしたムードが吹き飛んでしまったと、思い切りぼやいておりました。
でも、今やBCJの活動も、鈴木さんの八面六臂の活躍も、日本の演奏界において極めて重要な存在にまで登り詰めている。その功績は大いに讃えられるべきで、その一端を垣間見ることが出来たコンサートだったと思う。