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東京交響楽団に物申す

11月14日:名曲全集(@ミューザ川崎)と15日:定期演奏会(@サントリーホール)の2公演で、指揮者が変更となり、併せてプログラムも変更されるという発表があった。
当初予定の指揮者は音楽監督ジョナサン・ノットで、これは外国人の入国に依然として厳しい制限が敷かれている中なので、予想されたことでもあり、仕方がないだろう。変更後の指揮者は、広上淳一氏。
プログラムの変更は、メイン曲がブルックナー交響曲第6番からベートーヴェン交響曲第4番へ、というもの。

問題は、以上の変更にあたって、原則として払い戻しを行わない、ということで、これには私自身非常に強い不満を覚えた。

東響からしてみれば、中止ではなく公演が開催されるのだから、払い戻しを行わないのは規定どおり、そのことは予め注意喚起してある、ということなのだろう。
あるいは、この公演は「ノット」でも「ブルックナー」でもなく、「東京交響楽団」なのだ、とでも言いたいのか。

だが、私は異議を表する。
そうじゃないだろう!と。

興行としての演奏会は、チケットを買う客から言わせれば、それは商品なのだ。
この場合、「指揮者はノット」「メインプログラムはブルックナー」というのが、商品の中身にあたる。多くのお客はその中身が何なのかを見定めて、買うわけだ。(定期会員はどうだか知らんが、少なくとも単券購入者はそうでしょう。)

で、指揮者が変わった。メインプロも変わった。

どちらかだけというのならまだ我慢の一つも出来ようが、両方となれば、それはもうはっきり言って中身がすり替わった別商品だ。
だというのにキャンセル不可というのは、すなわち「別物を売りつけて、返品を受け付けない」というのと同じことではないか?

レストランで、メニューに「牛ステーキ」と書いてあったのでそれを注文したところ、ステーキはやむを得ない事情により提供できなくなったので、豚肉生姜焼きになります、キャンセルは受け付けません、と言われたとしたら、それで納得する客がどこにいるというのか!!

東京交響楽団は、やり方を間違えた。
状況が定まらず確定していない間はチケット販売をストップし、指揮者、プログラムなど、公演のすべてが確定した段階で発売をすれば良かったのだ。実際、そのようにしている他公演もあるのに、なぜ本公演をこのようにやってしまったのか。
あるいは、せめてメインプロだけでも変更せず、元のままにしておけば、不評は最低限に抑えられただろう。ブル6振れる日本人指揮者、いるでしょうよ。

これはもう、失策としか言いようがない。

もし、「ノット」の名前で少しでも稼いでしまおうという魂胆が奥底にあるのだとしたら(そういう悪巧みは断じてないと思いたいが)、やがてそのツケは間違いなくブーメランとなって返ってくる。あなた達は、今回、ブルックナーを楽しみにしていた多くのファンを落胆させ、そして彼らの信用を失った。そのことは肝に銘じるべきだ。
ちなみに私は、買ったチケットをゴミ箱に投げ捨てた。

東響の年末の第九。
指揮者ノット、それから4人の外国人ソリスト歌手も来日出来るか不透明の状態にありながら、チケットは驚きの高額価格のまま、今もなお絶賛発売中である。
これって、いわゆる「ノット」スペシャル価格だよね?
これでもし、指揮者を含めた外国人キャストの来日が叶わなかったら、いったいどうするつもり? やっぱり値段を下げず、平然と公演を行うわけ?

あのねー、目先の利益じゃなくて、本当によーく考えた方がいいと思うよ。マジで。