2019年11月5日 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 サントリーホール
指揮 クリスティアン・ティーレマン
モーツァルト フィガロの結婚序曲
R・シュトラウス ばらの騎士組曲
J・シュトラウス ジプシー男爵序曲ほか、ウィンナ・ワルツ、ポルカ集
日本オーストリア友好150周年記念兼サントリー芸術財団50周年記念の特別コンサート。
皇族などVIPが来るのかなと思ったが、らしき人は見当たらなかった。
直前に関係者席の特別開放追加発売があったというから、きっとどなたかいらっしゃる予定だったのだろう。台風の被害がなお深刻な現状下を勘案し、取り止めになったに違いない。
さて、日ごろから「ウィーンのニューイヤー・コンサートなんて一切興味なし」「ウィンナ・ワルツなんてつまらん」などとぬかしている私が、本公演にしれーっと出掛けたことについて、一言言い訳をさせていただきたい。
やってしまったのだ。間違ってしまったのだ。公演日とプログラムを。
この日と11月15日の公演は、R・シュトラウス作品と、ウィンナ・ワルツ、ポルカ集の何曲かとを入れ替え、別プログラムを構成させている。
それを間違えちゃったわけ。ワルツ、ポルカがたくさん入っている方を買っちゃったわけ。同じシュトラウスなのに大違いなんだわさ。
やっちまったが、買ってしまった以上、もう仕方がない。
いいじゃないか、ウィンナ・ワルツ。
これはこれでもう、ウィーン・フィルの代名詞なのだ。彼らの重要なレパートリーなのだ。れっきとした伝統芸能なのだ。尊重しようではないか。拝聴しようではないか。素晴らしいぞぉ。
(チケットを取ってしまった後は、こうして必死に自分を慰めたわけね。)
で、感想ですけどね。
ウィンナ・ワルツがウィーン・フィルの代名詞であること、彼らの重要なレパートリーであること、これらは紛れもなく真実であると。
これは彼らの音楽であり、そして彼らの誇りであると。
同時に、それはオーストリアという国の誇りでもあると。
それを改めて実感した次第である。
「彼らの音楽」
かつてR・ムーティは、ニューイヤー・コンサートを振った際、「これはあなた達の音楽ですから、私は教えを乞う立場です。」と語ったという。
だから、指揮者ははっきり言っちゃえば、それに乗っかればいい。振っているふりして、音楽に身を任せて踊っていればいい。
だというのに、ティーレマンさんときたら、結構マジに振っていて(時折り茶目っ気混じりで)なかなか笑えた。
良い良い。
本領は次のブルックナーで見極めさせてもらいまっせー。