クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2021/8/7 日本フィル(フェスタサマーミューザ)

2021年8月7日  日本フィルハーモニー交響楽団(フェスタサマーミューザ)  ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮  下野竜也
宮本益光(語り)、石橋栄実(ソプラノ)
ウェーバー  オベロン序曲
ヴォーン・ウィリアムズ  グリーンスリーブスによる幻想曲
ニコライ  ウィンザーの陽気な女房たち序曲
ベートーヴェン  劇音楽エグモント


・ニコライの「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲と言えば、私はカルロス・クライバーが1992年にウィーン・フィルニューイヤーコンサートを指揮した演奏を思い出す。
ヨハンやヨーゼフのシュトラウス作品がズラリと並ぶ定番中の定番コンサートで、彼は一発目にニコライのこの曲を選んだ。しなやかで楽しく、しかも端切れが良くて切れ味が抜群。鮮やかな幕開けに、観客(映像や録音の聴き手を含む)はニューイヤーコンサートという場を借りた「クライバー・ワールド」にのっけから引き込まれたのであった。


ベートーヴェンの劇音楽「エグモント」と言えば、私は20年くらい前に訪れたベルギーのメッヘレンという都市で、フランドル音楽祭の一環で演奏された公演を思い出す。
当時、エグモントといったら序曲しか知らず(今も同じようなものだが)、ストーリーも知らず、何だかよくわからないけど「まあとにかくベートーヴェン聴いたし・・」みたいに無理やり自己満足させてホテルへの帰路に着いたことを覚えている。
あの時は知らなかったが、この物語の主人公エグモント伯爵というのは、フランドルの領主なのであった。ということは、なかなか演奏されないこの作品をフランドル音楽祭が採り上げたのは、それなりに理由、意義があったということなんだなーと、今更ながらに納得。ふむふむ。


・この日の日本フィルのコンサートマスターは、扇谷泰朋氏。
扇谷さん、先日博多で聴いた九州交響楽団の公演でもコンマスを務めていたっけ。肩書は、日本フィルでも九響でも、ソロコンサートマスター
同じく新日本フィルと大阪フィルでソロコンサートマスターを務める崔文洙さんもそうなのだが、オーケストラの顔でもあるコンマスを他のオケと兼職する、それって一体どうなのよ。

いや、演奏家本人にしてみれば、自分の肩書に箔が付くメリットが大きい。だから、これはむしろオケ側が問われるべき問題だろう。
優秀な演奏家を楽団員として招きたい。だけど、そうした優秀な演奏家は引く手あまた。だから仕方がないっていうのは、まあ何となく分からないでもない。でもさ、プロの楽団のアイデンティティとしてどうなのよ!?


・・・以上、なんだか全然日本フィルの演奏の話にならなかったけど、別にいいや。問題なし。