クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2009/2/22 東京フィル

2009年2月22日 東京フィルハーモニー交響楽団オーチャード定期演奏会 オーチャードホール
指揮 チョン・ミュン・フン
カルメラレミージョ(ソプラノ)、藤村実穂子メゾソプラノ)、キム・ウキョンテノール)、ロベルト・スカンディウッツィ(バス)
合唱 東京オペラシンガーズ
ヴェルディ レクイエム


 ずばり、「The・名演」だった。東フィルの公演に頻繁に行っているわけではないが、近年稀にみる素晴らしい演奏だったのではないだろうか。

 一流どころのソロ歌手が揃い、ハイレベルな合唱が備わり、チョン・ミュン・フンの高度な要求がオケを潜在能力を十分に引き出して、それら全てがぴたりとはまった。

 この曲は、‘ヴェルディのもう一つのオペラ’などと呼ばれることもあるが、チョンはいたずらにオペラチックな節回しをすることなく、あくまでも鎮魂曲として内省的に深く掘り下げる。その結果として荘厳さが増し、緊張感もみなぎる。
 多くの聴衆がピンと張りつめたホール空間の中で、ミサに参加したような厳粛な気分を味わえたことだろう。
 私も、最後の曲、「リベラ・メ」で、ソプラノのC・レミージョが「主よ、私をお救いください」と唱えるように歌うの聴きながら、魂が静かに天に昇っていく光景を思い浮かべた。もっとも、昇りかけていたその魂は残念ながら愚かなフライング拍手によって途中で落っこちてしまったが・・・。

 合唱や歌手が付いた音楽はとびきりの演奏となるチョン・ミュン・フン。そりゃそうだ、なんたって、かつてパリ・オペラ座に君臨していたんだものなあ。いや、その片鱗を存分に示した。是非是非、ヴェルディのオペラをやってほしいものである・・・

・・・そういや、同じく東フィルでチョンさん、今度椿姫やるんだね・・・またつ・ば・・・いや言うまい(笑)。