クラシック、オペラの粋を極める!

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2016/3/16 東京・春・音楽祭

2016年3月16日  東京・春・音楽祭(日伊国交樹立150周年記念オーケストラ)   東京文化会館
指揮  リッカルド・ムーティ
管弦楽  日伊国交樹立150周年記念オーケストラ(東京春祭特別オーケストラ&ルイジ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団
合唱  東京オペラシンガーズ、東京少年合唱隊
イルダー・アブドラザコフ(バス)
ヴェルディ  ナブッコ序曲、ナブッコ第1幕より、アッティラ第1幕より、マクベス第3幕よりバレエ音楽  他
ボーイト  メフィストフェレよりプロローグ


まず、怪我で来日が危ぶまれたムーティが無事に来日の運びとなったのは、とにかく喜ばしい。本公演はマエストロがいなくては始まらない。代役は誰にも務まらないのである。

公演のタイトルやオーケストラの名前に「日伊国交樹立・・」などと仰々しい文字が入り、なにやら政治的イベント色が出たと思ったら、案の定そこにお偉方が登場し、くそつまらん挨拶を延々と始めやがった。イタリアの代表者も日本のお役人さんも、いかにもな型通りの挨拶なので、本当につまらない。それを二カ国語に通訳するからなおさら長く感じる。会場のほとんどの人が「いいから、早く終われよ」と内心思っていたと思う。
そこへ最後に我らがマエストロが「政治家の言葉は時に裏切りが入るが、音楽には絶対に裏切りはありません!」と発言。場内はやんやの大喝采。なんという痛烈な皮肉!(笑)いやいや、さすがはマエストロである。

さて、今回のプログラムであるが、ナブッコ運命の力の序曲、マクベスバレエ音楽だけなら、何の新鮮味もないものだった。名歌手アブドラザコフと合唱が加わり、普段はなかなか聴けないオペラのシーンが演奏された。これこそが公演の肝であった。

特に、メフィストフェレは白眉の名演!「響き」ということに関してやや苦しいあの東京文化会館が壮大に鳴り響いた!これは本当に奇跡、神の演奏である!

東京春祭オケとケルビーニ管の演奏は急造にも関わらず、お見事だった。まあ、あれだけのカリスマ指揮者が振れば、自然と一丸となるのはある意味当然かもしれない。「世界の共通言語である音楽によって一つになる、これこそが最も大事。」これもまたムーティが述べた言葉だ。

ソリストとして招かれたアブドラザコフも本当に素晴らしかった。世界トップ歌手の実力の片鱗をまざまざと見せつけてくれたと思う。


えーと、さて・・・。

私は今、この感想記事をベルリン郊外ポツダムのホテルの一室で書いている。
公演を鑑賞後、その足でまっすぐ羽田空港に向かい、そして飛び立った。目的はバレンボイム・フェスティバルの様相を呈している「フェスト・ターゲ」。歴史的公演となったブルックナーチクルスからわずか一ヶ月のバレンボイム詣でだ。
旅行記は、またおいおい、ぼちぼちと。ではでは。