クラシック、オペラの粋を極める!

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2009/2/9 ベルリン放響

2009年2月9日 ベルリン放送交響楽団 サントリーホール
指揮 マレク・ヤノフスキ
ラファウ・ブレハッチ(ピアノ)
シューベルト 交響曲第8番 未完成
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番
ベートーヴェン 交響曲第5番 運命


 かつて、ハインツ・レーグナーの快演(怪演?)を聴いた人間として、旧東ドイツからの伝統を汲むベルリン放送交響楽団は、私にとって今も尚、憧れの名門オーケストラだ。
 また、20年前のミュンヘンバイエルン州立歌劇場で、超弩級の「ラインの黄金」に圧倒されたその指揮者がマルク・ヤノフスキだった。(このラインゴールドは私のこれまでのコンサート・オペラ歴の金字塔の一つである。)

 なので、このコンサートは公演概要が発表になった瞬間に飛びつき、チケットを買った。

 プログラムだっていいではないか!
 他のオーケストラがこのプログラムで来日公演を打つと「ワンパターンだなあ。もっとひねりを入れろよ。」と突っ込みたくなるが、ヤノフスキ&ベルリン放響ならば「さすがだ!王道で勝負しとる!」と褒め称える(笑)。

 コンサートはこちらの期待どおり、素晴らしい一夜であった。

 一曲目のシューベルトからして、伝統の香りが漂う。響きが芳醇だ。ただし、ヤノフスキは感傷的にテンポを重く落とすのではなく、おそらくは楽譜の指示通りにきびきびと前に進めさせる。運命も基本的に同じだ。

 ヤノフスキはおそらくは70歳くらいかと思うが、ばりばりに元気で、先日のブリュッヘンのへなへなおじいちゃんタクトではなく、重戦車のごとくぐいぐい引っ張って統率するので、出てくる音がズンズンとこちらのお腹に響いてくる。素晴らしい!名指揮者ではないか!もっと評価しましょう。

 真ん中のピアノ協奏曲を弾いたのは、先のショパンコンクール覇者ブレハッチ。初めて聴きました。
 ショパンチャイコフスキーなどの権威のあるコンクールを征すると、世界的な名声を手に入れることが出来る。勢い、一流演奏家の仲間入りに仕立て上げられがちだが、所詮は「若手」。この日の演奏も、まだまだ青い。ベートーヴェンの協奏曲は幾多数多の名匠が取り組んだ「重い」曲だ。颯爽と弾くのは良いが、ベートーヴェンのドアをノックしているだけで、扉を開けるに至らない。まだまだこれから。頑張りましょう。

 コンサート全体的には大満足で、一緒に聴いたKさん(ドイツで一緒に聴いた私の師匠)と「今週末のベト7も聴きたくなっちゃったね!」と意見が一致。金曜日に行く方、期待していいですよ!