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2018/4/8 三大ピアノ協奏曲の饗宴

2018年4月8日   三大ピアノ協奏曲の饗宴   サントリーホール
ピアノ  清水和音
指揮  梅田俊明
ベートーヴェン  ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
チャイコフスキー  ピアノ協奏曲第1番
ラフマニノフ  ピアノ協奏曲第2番
 
 
どれもこれも名曲中の名曲で、そういう意味ではいわゆる「名曲コンサート」だが、これを一人のピアニストが一公演で全部一気に弾いてしまうという、なんとも破格、びっくり仰天のコンサート。
コンチェルトのソロを演奏することがどれほど大変なのかは、ピアノを演奏しない素人にとっては想像も出来ないが、更に三曲続けて演奏するというのは相当チャレンジングなのではなかろうか。
こんなことを企画し、そしてやってしまうピアニストといったら、日本では横山幸雄氏と清水和音さんしかいないんじゃないか?
 
で、実際やってしまった清水さん。演奏後もマラソン完走ランナーのような「やり遂げた!」的な達成感は微塵も見せず、「別に、フツーです、プロですから」みたいなクールな態度がなかなかカッコイイ(笑)。
 
清水さんのピアノ、久しぶりに聴いたが、昔と印象は変わらない。
音色は硬質。派手なパフォーマンスに走らず、安定感で勝負。スリリングさには欠けるが、音楽的には完成されていて盤石である。
 
ベートーヴェンチャイコフスキーラフマニノフと、それぞれの作曲家ならではの個性が作品に滲んでいて、全体としては三者三様の色合いなのだが、ピアノソロに着目すると、アプローチはなんだか皆同じように聞こえる。「どの作品を弾こうが、どれも清水和音の音であり音楽であり、それが彼の特徴なのだ。」ということなら、文句のつけようもないのだが・・・果たしてどうなんでしょうか、それは。
 
一方で、ベートーヴェンを聴いて「うーん、いい曲だなあ」と感じ、チャイコを聴いて「うーん、いい曲だなあ」と感じ、ラフマニ聴いて「うーん、いい曲だなあ」と感じた。とにかく素晴らしい作品を聴けてホント幸せだと思った。
そう感じさせてくれたのだから、それはやっぱり演奏者を褒めなければならないのでしょうね。
 
今回、チャイコの演奏中にピアノの弦が切れるというアクシデントが発生。
ひょっとして、演奏者よりもピアノの方が悲鳴を上げてしまったか?(笑)