クラシック、オペラの粋を極める!

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2019/3/15 東京フィル

2019年3月15日   東京フィルハーモニー交響楽団   東京オペラシティコンサートホール
ユーチン・ツェン(ヴァイオリン)
チャイコフスキー  スラヴ行進曲、ヴァイオリン協奏曲
 
 
一曲目が開始され、てっきり「イタリア奇想曲」冒頭の高らかなトランペットファンファーレが鳴るかと思いきや、厳かな「スラヴ行進曲」が奏でられて、「あれれ~??」
思わずひっくり返った大勘違い。
続く協奏曲は睡魔に負け、第一楽章は夢うつつの世界。第二楽章以降も「そういや、先月のムジカエテルナでは、凄いの聴いたっけな」みたいな完全そっちのけテンション。
目は覚めたが耳は冷めてる萎え状態。
 
要するに、この日の前半は、チケット買った時からまったくのアウト・オブ・眼中。ぶっちゃけ、チャイコなんてホントどうでも良かったんだ。聴かなくたって良かったくらいだ。すみません。
 
この日のお目当てはハチャトゥリアン交響曲第3番なのだ!!誰が何と言おうと絶対に。
 
まさかこの作品を聴く機会が訪れるとは・・。信じられましぇん。
なんと貴重な体験。もう二度とないだろう。これは神様からのギフトだ。
 
2階オルガン前列にズラッと並ぶトランペット軍団。そしてオルガン奏者。壮観。もう演奏前から「ぐふふ・・」とニヤケ笑いが止まらない。
そして、それらが炸裂する演奏のなんたる圧巻、なんたるカタルシス
オルガンの取り憑かれたようなソロに、聴いているこちらの脳みそが溶け出し、目がクラクラし、やがて全身がフニャける。
 
ハチャトゥリアンを聴くんだったら、この曲を聴くんだったら、理屈なんかいらね。
解釈だとか、様式美だとか、格調性だとか、まったくいらね。
泣け~、叫べ~、喚け~、喜べ~、バンザーイ。
 
絶頂の極み、興奮の坩堝。いやーハチャトゥリアン最高。
こんなにも狂おしいくらいオモロイ曲なのに、憫然たるかな、おそらくもう二度と実演で聴くことはできない。嗚呼悲しき喪失感。