好きな作曲家の一人だが、如何せん生公演での観賞機会は乏しい。じゃあ日ごろから自宅等で愛聴しているかといえば、実はそうでもない。
ということで、この一週間、久しぶりに彼の音楽を徹底的に聞きまくった。どうせ耳にこびりつくのなら、脳みそ巣食うくらいにどっぷり浸かってやれってもんだ。
いやあ、この作曲家、ほんっっっとに面白えわ。
特に、もう腹抱えて笑っちゃったのが、交響曲第3番。
なんつーか、アレだね。某国の国民が某最高指導者(独裁者)に向かい、強制されながら必死に「バンザーイ」とやっているアホらしさ。本人たちは「これぞ国民の結束の力」と誇っているのかもしれないが、見ていてあれほどイタく、そしておかしいものはない。
そんな真面目なダサさを音楽にすると、きっとこうなってしまうのではないかと思うのが、交響曲第3番だ。
ガヤネーやスパルタクスも、その弾けっぷりが素晴らしい。こんな音楽を作られたら、ダンサーは踊らずにはいられない。精根尽き果てるまで踊る。熱気、エネルギー、興奮、躍動。まさに血湧き肉躍る音楽だ。
なんて書いていると、まるでハチャトゥリアンは単なるパッパラパーな作曲家に思えるが、例えば交響曲第2番なんて、もっと普通にロシアンレパートリーに加えてほしいほどの名曲である。激烈なパンチがハチャトゥリアンの売りだが、実はしっとりとした旋律も美しく、情緒的で、心に染み入る。