クラシック、オペラの粋を極める!

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2022/7/10 東京フィル

2022年7月10日  東京フィルハーモニー交響楽団  オーチャードホール
指揮  出口大地
木嶋真優(ヴァイオリン)
ハチャトゥリアン  バレエ音楽「ガイーヌ」より、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第2番「鐘」


前日の新日本フィルはモヤモヤした後味悪いコンサートだったが、この日は一転してそのモヤモヤを吹き飛ばす爽快な公演。いやー楽しい。
そりゃそうだ。なんたってハチャトゥリアンなのだ。血湧き肉躍るエキゾチックな民族音楽。しかも、滅多に演奏されない交響曲第2番を聴ける喜び。
ハチャトゥリアンは誰が何と言おうと最高。私にとって悶絶級の作曲家だ。

そういえば、3年前も東京フィルはハチャトゥリアンをやってくれたっけな。まさか交響曲第3番を生で聴けるとは夢にも思わなかった。期待どおりの爆演に思わず「バンザーイ!」と叫び、感涙で嗚咽した。

その時、実は東京フィルも気が付いたんじゃないかな。
「ん? ハチャトゥリアン、もしかしてヤバくね?」
で、再度取り上げる機会を探っていたところ、なんとそこにハチャトゥリアン国際コンクール指揮部門で優勝した日本人が現れた。
「およ!? これはビッグチャンス到来か?」
かくして本公演は企画され実現した。
どうよ。スバリじゃね??

正直に言うと、私は指揮者出口さんのことまったく知らなかったし、期待もしてなかったし、ぶっちゃけどうでもよかった。指揮者なんて誰でもいい。ハチャやってくれるんだったらそれだけで十分だったのだ。

ところが実際聴いてみると、この指揮者、なかなかいい。さすがコンクールの覇者らしく作品をばっちり掌握しているし、オーケストラに対して臆することなくグイグイとリードしている。タクトの切れ味も良い。何と言ってもこの作曲家の最大の魅力である土着性メロディをうねるように聴かせ、鳴らすところをしっかり鳴らしているのがグッド。ハチャはそこが肝だからな。

同じことがソリストの木嶋さんにも当てはまった。
舞曲のように音楽をスイングさせながらテクニックを縦横無尽に披露し、そして楽器を鳴らす。

このヴァイオリニスト、テレビのバラエティ番組でも見かけるし(芸能プロダクションに所属しているらしい)、人気先行タイプかと思っていたが、いいじゃないですか。ちょっとだけ見直しました。
(ちょっとだけかよ)