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2017/7/12 読響

2017年7月12日   読売日本交響楽団   東京芸術劇場
指揮  鈴木秀美
ダヴィッド・ゲリエ(ホルン&トランペット)
ハイドン   真の貞節序曲、ホルン協奏曲第1番、トビアの帰還序曲、トランペット協奏曲
 
 
ダヴィッド・ゲリエ。19歳でミュンヘン国際コンクールのトランペット部門で優勝。同時期にホルンを学び始め、現在フランス国立管弦楽団の首席ホルン奏者。
 
信じられない経歴! あり得ねえぇ・・。
 
私はかつてトランペットを吹いていたから、トランペットとホルンを同時に操るのがいかに難しいのか、よく知っている。音を出すための口の形成の仕方、マウスピースの接し方がトランペットとホルンでは異なるからである。
もちろん音を鳴らすための基本構造は一緒だから、両方吹けと言われれば吹ける。だけど、双方で一流プロの高いレベルをこなすというのは、とてつもない才能と言わざるを得ない。
 
ヴァイオリンとピアノの二刀流奏者ユリア・フィッシャー、もちろん日本が誇る大谷翔平選手もそうだが、世の中には常識の枠を超越してしまう天才が存在してしまうわけだなあ・・・。
 
そのゲリエのコンチェルト。
個人的な評価だが、ソリスティックという面で言うのなら、トランペットの方が断然優れ、輝いていると思った。トランペットに比べると、ホルンの方はなんだかいかにもオーケストラ奏者っぽかった。
まあ、それが彼の実際上の立ち位置になっているのだから、ごく当然なのかもしれないが。
 
普段はオーケストラに所属し、合間にソリストとしてトランペットを吹く。ついでにホルン協奏曲も一緒に吹く。そんな活動が、彼にとって極めてスペシャルでありながら、実は日常であり普通なことなのかもしれない。大谷翔平のように、切り離して考えられないのだろう。
いずれにしても、すごいことだ。
 
バロックチェロ奏者として有名な鈴木秀美さんだが、彼の指揮による演奏は初めて聴いた。
完全な古楽奏法ではなかったが、いかにも古典らしい形式で読響にしっかりとコンセプトを徹底させていたと思う。特にハイドンが良かった。
ただ、ベートーヴェンだと、やはりちょっと新鮮味が欠けた。ベートーヴェン交響曲古楽風アプローチは、もはや語り尽くされちゃっている感があり、そこらへんはちょっと仕方がないのかなと思う。