クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2019/3/3 香港2

最終日。朝からずっとパラパラ雨。
夕方帰国のため、午前いっぱい観光ができる。ところが、天気が良くないこともあって、二人ともあまり観光意欲が湧かず、どこで何をしようかが決まらない。
こういう天気が悪い時は、博物館や美術館に行くのが賢明だ。Kくんはイマイチ乗り気しない感じだったが、かといって他に良い代替案もないので、ガイドブックで見つけた香港歴史博物館に出かけることにした。
 
ここは、文字通り古代から現代までの香港の歴史を辿る博物館。
実際に訪れて驚いたのが、フロアーの広さと展示スケール。8つの時代カテゴリーに分けられたそれぞれのコーナーは、どれもテーマパークのような迫力。これが入場無料なのだから恐れ入る。
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日本人にとって胸が痛いのは、太平洋戦争において大日本帝国が占領した4年間の展示ルーム。案内にはっきりと「暗黒の歴史」「悲惨な日々」と書いてある。
「それまでだってイギリスに占領されていたわけで、単に統治国が変わっただけじゃないの?」
などと内心思うが、それを我々日本人が言っちゃいけないんだろうな。
爆弾落とされ、軍事力によって侵略された人々の恨みはことのほか大きいのだろう。
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おそらく、グルメだショッピングだで香港を訪れる今の日本の若者たちは、ほとんどがこの史実を知らない。いい年した私だって、何を隠そう忘れていた。
韓国といい、中国といい、戦後70年経ったというのに未だに「謝罪せよ」「反省せよ」と声高に叫ぶが、「まったくもう」と思いつつ、まあ理解しないわけでもない。
日本人は、「世界で唯一原爆を落とされた国」「戦争でたくさんの命を失った悲しみ」という被害者意識はしっかりと強い一方、帝国主義の下で近隣諸国に迷惑をかけたことはあまり気に留めていない。
人をぶん殴っておきながら「未来志向で」なんて言われても、「ざけんなよ」という憤りが燻るのはある意味当然だろう。やはり歴史は背負わなければいけないと思う。
 
博物館を見学し終えたら、これにて全日程終了。いったんホテルに戻って、預け荷物をピックアップ。
 
この後、空港エキスプレス電車の停車駅「九龍」まで、自動車配車アプリUBERを利用して移動した。
実は、香港歴史博物館からホテルまでの帰り道もUBER利用を試みたが、ほんの少しのタイミング差で料金が上がってしまい、「それならやっぱり歩こう」となってしまったのだが、Kくんはどうしても私にその利便性を教えたいらしい。
 
UBERについては、私もどういうシステムなのか知識としては知っている。しかし、実際にはこれまで一度も利用したことがない。
今回Kくんの進言によって利用してみたが、乗りたい場所と降りたい場所の位置設定、値段提示、支払い(クレジットカード)などがすべてアプリ内で行われるため、面倒な運転手とのやりとりが不要。非常に楽だ。移動ルートも瞬時にマップ表示されるため、昨年のイタリア旅行の際にあったような大回りされてぼったくりされる心配もない。利用価値は大いにあることはよくわかった。
唯一の問題は、手配した自動車をうまく見つけられるかどうかで、分かりにくい場所で待っていると、ピックアップが難しくなる。今回も、運転手から「到着したよ」と連絡が入っても、「どこにいるの?」となってしまい、少しだけバタバタした。見つけられやすい場所を待ち合わせ設定するのがポイントだ。
 
「便利でしょ??」とKくんから言われ、「うんうん」と頷く私。
だからといって、じゃあこれからUBERを積極的に利用したいかといったら、そうでもない。
あたしゃ普段から基本的にタクシーを使わない人間なのだ。
バスで行けばいいじゃん。地下鉄で行けばいいじゃん。歩いて行けばいいじゃん。
UBERは厳密にはタクシーではないが、それでもやはり公共交通機関の何倍も料金がかかる。もったいないと感じるのだ。
この染み込んだ貧乏気質は、ちょっとやそっとじゃ拭えないんだよ。