クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2019/4/30 エストニア祝祭管

昨日から今日の朝にかけて、テレビの報道の仕方は、まるで大晦日から正月にかけての雰囲気そのものだったね。確かに元号が変わり新しい時代になったというのは、そのとおりなのだろうから、まあそれで構わないさ。
 
本公演は、そういう意味で言えば「平成最後のコンサート」なのだろう。
でも、そういう感慨は全然なく、いたって普通、いつものとおりの鑑賞でござった。
 
2019年4月30日   エストニア祝祭管弦楽団   サントリーホール
五嶋みどり(ヴァイオリン)
ペルト   ベンジャミン・ブリテンへの追悼歌
シベリウス   ヴァイオリン協奏曲
トゥール   テンペストの呪文
シベリウス   交響曲第2番
 
 
有名な老舗オーケストラではないのに、全席完売・満員御礼の公演だったのは、びっくりした。
せっかくの大型連休だというのに目玉となるような注目公演が少ないということで、暇を持て余したクラ好き連中が集まったかな?(笑) オレもその一人だけどね。
 
日本人にとって決して馴染み深いとは言えない国、エストニア。紹介を込めて同国出身作曲家の作品をプログラムに入れるというのは、理解できる。
理解できるが、現代音楽が苦手な私にとっては戦々恐々。苦痛を耐え忍ぶ時間にならないよう祈っていたが、これがなんと、大いに楽しめた! 
つまり、これらの曲はちゃんとした音楽だったのだ。良かったぁ。
(メロディがなく、リズムの規則性を壊し、単なる不協和音の響きだけで構成される現代音楽は、私にとって、ちゃんとした音楽じゃないからね。)
 
さて、お初にお目にかかるエストニア祝祭管。言うまでもなくP・ヤルヴィによって創設された、まだ歴史の浅いオーケストラだ。
てっきりPMFのような若手集団で、勢いや溌剌さを売りにした精鋭オケかと想像していたら、意外にもプレーヤーは実力派揃いで、熟練さも感じられ、大変驚いた。懐が大きく、色彩があり、陰影もある。
しかも、ヤルヴィのタクトに対する反応が、見事なほどに良い。
以前のブログ記事で、「日本のオケになくて、世界の一流オケにある物」として、タクトへの感度や、弾け具合、化学反応の燃焼度みたいな部分を指摘したことがあるが、そうした物をこのオケは完璧に備えていた。
 
こりゃヤルヴィにしてみりゃ、まさに狙いどおりで大満足だろう。
 
あとはこのオケの知名度をどれだけ上げられるかが、今後の課題になりそうだ。
そのためには、パルヌ音楽祭そのものをもっともっと知らしめなきゃいけないね。
 
第二のルツェルン祝祭管みたいになれば最高だろう。オーケストラのポテンシャルはあるのだから、是非メジャーになってほしい。