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2018/6/24 バーリ歌劇場

2018年6月24日  バーリ歌劇場(テアトロ・ペトルッツェッリ)   東京文化会館
指揮  ジャンパオロ・ビサンティ
演出  ジョセフ・フランコニ・リー
フランチェスコ・メーリ(マンリーコ)、スヴェトラ・ヴァシレヴァ(レオノーラ)、アルベルト・ガザーレ(ルーナ伯爵)、ミリヤーナ・ニコリッチ(アズチェーナ)、アレッサンドロ・スピーナ(フェランド)   他
 
 
レオノーラ役を歌うはずだったフリットリの来日がキャンセルされた。チケットの券面印刷にも名前が掲載されていたくらいだから、今回の来日公演の目玉の一人だったはずだ。
 
それにしても、最近のフリットリはどうしちゃったのか。ちと心配である。
一時は純正イタリアンのトップソプラノで、不動のプリマ・ドンナだった。
今回のキャンセルは病気が理由らしいが、近年ウィーンやミラノ、メトといった一流歌劇場で、キャストの中にその名を見つけることが難しくなってきている。
体調不良が長引いているのか、声の不調が続いているのか、それとも・・・。
今のフリットリの状態を確認したかったので、キャンセルは残念だ。
 
と言いつつ、本音を言うと、フリットリが落っこちたところで、別に大したショックはない。
本公演のカギを握るのは、マンリーコ役のメーリ。彼が歌ってくれるのなら、何の文句もない。現在、世界最高のヴェルディテノールではないだろうか。
声には艶と張りがあり、安定感も抜群。有名な「見よ、恐ろしい炎を」でのハイCは少々苦しいが、元々ハイトーンアクートで勝負する歌手ではないので、ここは大目に見よう。
 
ルーナ伯爵を歌ったガザーレは結構ご無沙汰だったが、美しく朗々とした歌声は健在だったのは喜ばしい限り。
 
指揮者ビサンティも大いに感心した。音楽作りがとにかく繊細だ。それでいて、それがとてもさりげない。
舞台の歌手の歌に耳も目もつい行ってしまうが、注意してピットの音を聴いていると、丁寧に味加減を調整しているのが分かる。ヴェルディらしいワクワクするようなカンタービレも実に魅力的だ。
決して派手な効果を狙っているわけではないが、作品の魅力を十分に堪能させてくれる。
おそらくレナート・パルンボやカルロ・リッツィのような職人指揮者として、地道に着実に出世していく気がする。イタリア・オペラ正統派の系譜を継いでいくのは間違いないだろう。
 
演出と舞台装置については、呆れるくらいに陳腐だが、「これぞイタリア・オペラ」というのなら、何も言うまい。
ましてやバーリなんて・・・「なんて」などと言っちゃ悪いかもしれないけど、所詮はローカルカンパニーだからね。むしろ、よくメーリ様を連れてきたと褒めなければね。