2018年1月8日 アレクサンダー・ガヴリリュク ピアノリサイタル 紀尾井ホール
バッハ イタリア協奏曲ヘ長調
ショパン バラード第2番
2018年の聴き始めはガヴリリュク。
私、このピアニスト好き。ていうか、こういうタイプのピアニストが好き。
打鍵が強いピアニスト。と言っても、ボクシングのように鍵盤を叩くピアニストは嫌い。
打鍵の強さで音楽の奥行感を醸し出せる人。
単純な大きな音ではなく、強い音によって作品の峻厳さを表現できる人。
ガヴリリュクはそれが出来る。だから好き。
この日の後半のプログラム。彼の力強い筆によって、真っ白のキャンバスが黒く塗り染められていく。黒色で描かれているのに、それがだんだんとマグマのごとく真っ赤に見えてくる不思議な感覚。異次元の音楽空間。こうした特異な音楽をもたらしてくれるのも、ガヴリリュクの特徴。
前半のバッハとモーツァルトは、なんだか面白かった。
いわゆる格式のある正統な演奏ではないのだが、「ほら、ぼくはこういう演奏だってできるんだよ」と見せつけるかのような演奏。「あのさー、たまにはさー、こういう曲も弾かせてよ」みたいな子供の意地張りのような演奏。
いいと思います(笑)。