クラシック、オペラの粋を極める!

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2016/5/14 ベルリン・フィル3

ベートーヴェン  交響曲第4番、第7番
 
 
7番がキレッキレッの演奏だった。特に最終楽章の怒涛の進撃がすごかった。目の覚めるような快演。快刀乱麻、破竹の勢いとはこのことだった。
 
4番と7番は個人的に絶妙の組合せだと思うが、このカップリングの公演を聴いたのは、これまで2回しかない。
一つはラトルが2001年にウィーン・フィルと来日し、全曲チクルスを行った際の公演。そしてもう一つが1986年のC・クライバーバイエルン国立管来日公演だ。
となれば、否が応でもクライバーの鮮烈の名演を思い出してしまう。
あの時もやはり最終楽章で怒涛の進撃が始まり、天下のクライバー・マジックによってオーケストラは狂ったかのように乱舞し、クライマックスで絶頂極まった。
 
今回の演奏は、同じ怒涛の進撃ではあっても、クライバーのヒートアップとは次元が異なっている。
 
顕著なのは、指揮者が煽れば煽るほどに、アクセルを踏めば踏むほどに、どこまでも回転数を上げられるオーケストラの出力性能の高さである。
これまでの鑑賞記でも、ベルリン・フィルの卓越した演奏技術にあらん限りの賞賛を尽くしているが、この日もやっぱり同じだ。比類なき演奏技術は作品そのものを超越してしまい、圧倒的説得力を伴って迫ってくる。要するに、「上手い」ということだけでも我々は十分に感動できてしまうのだ。
 
ということで、当然というか、観客は熱狂した。盛り上がりはこれまでの4日間で最高だったと思う。
それでいいのだろう。硬いことは言わない。私も熱狂し、大満足したのだから。
 
ベルリン・フィルベートーヴェン・チクルスは、私は4公演を聴き、これでおしまい。第9は、日曜だというのに仕事のため、最初からパスだった。
もっとも、仮に仕事がなくてフリーだったとしても、果たしてチケットが買えたかどうかはまったく分からないが・・。
 
本日は、有終の美を飾ったかな?
もうこれで、このコンビの演奏を聴くことは、きっと無いのだろうな・・。