2016年5月14日 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 サントリーホール
指揮 サイモン・ラトル
7番がキレッキレッの演奏だった。特に最終楽章の怒涛の進撃がすごかった。目の覚めるような快演。快刀乱麻、破竹の勢いとはこのことだった。
4番と7番は個人的に絶妙の組合せだと思うが、このカップリングの公演を聴いたのは、これまで2回しかない。
となれば、否が応でもクライバーの鮮烈の名演を思い出してしまう。
あの時もやはり最終楽章で怒涛の進撃が始まり、天下のクライバー・マジックによってオーケストラは狂ったかのように乱舞し、クライマックスで絶頂極まった。
今回の演奏は、同じ怒涛の進撃ではあっても、クライバーのヒートアップとは次元が異なっている。
顕著なのは、指揮者が煽れば煽るほどに、アクセルを踏めば踏むほどに、どこまでも回転数を上げられるオーケストラの出力性能の高さである。
これまでの鑑賞記でも、ベルリン・フィルの卓越した演奏技術にあらん限りの賞賛を尽くしているが、この日もやっぱり同じだ。比類なき演奏技術は作品そのものを超越してしまい、圧倒的説得力を伴って迫ってくる。要するに、「上手い」ということだけでも我々は十分に感動できてしまうのだ。
ということで、当然というか、観客は熱狂した。盛り上がりはこれまでの4日間で最高だったと思う。
それでいいのだろう。硬いことは言わない。私も熱狂し、大満足したのだから。
もっとも、仮に仕事がなくてフリーだったとしても、果たしてチケットが買えたかどうかはまったく分からないが・・。
本日は、有終の美を飾ったかな?
もうこれで、このコンビの演奏を聴くことは、きっと無いのだろうな・・。