クラシック、オペラの粋を極める!

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2017/10/6 ルツェルン祝祭管

2017年10月6日   ルツェルン祝祭管弦楽団   サントリーホール
ベートーヴェン  エグモント序曲、交響曲第8番
 
 
ブリリアント、パワフル、そしてアグレッシブ。LFOの印象だ。
スーパー・ヴィルティオーゾ軍団の名は伊達じゃない。音の迫り具合は、ベルリン・フィルで体感するそれと同じである。
特に、ハルサイにおいて顕著だ。
各パート、各ソロの旋律が輝きを放ちながら浮き上がっていく様は、まるで打ち上げ花火のよう。
逆にベートーヴェンだとそれらが拡散してしまい、もっと大きな括りで構成された一体感のあるハーモニーが欲しいと感じてしまったが、寄せ集めオケのメリットとデメリットなのであろうか。
 
リッカルド・シャイー、若き新星として世界に頭角を現してから約30年聴き続けているが、この人、変わらないなあと思った。もう巨匠の領域に入ろうとしているのに、枯れず、常に音楽が明るくてはつらつとしている。
コンセルトヘボウ、ゲヴァントハウス、そしてルツェルンと、それぞれのオーケストラの特性によるサウンドは異なっても、全体的な音楽性になると、必ずこうしたシャイーの持ち味が存分に発揮されるのである。
 
彼がまだ30歳前後、名声もまだイマイチ確立されていない若造指揮者がいきなりウィーン・フィルを振ったチャイコフスキー交響曲第5番は、今聴いても快哉を叫びたくなるような名演名盤だが、あの勢い、気迫、情熱、推進力が今もって衰え知らずというのは、ある意味すごいことだ。
 
一方で、円熟してしっとりと枯れた、晩秋の枯れ葉を踏みしめるような演奏も、そろそろ期待したいと思うのは、私だけだろうか。まだその時期じゃないのかなあ・・・。