クラシック、オペラの粋を極める!

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2017/8/24 読響

2017年8月24日   読売日本交響楽団   東京芸術劇場
ハイドン  交響曲第82番「熊」
 
 
ほんっっとうにルイージらしい演奏だと思った。紛れもなくルイージの音楽だと思った。
一つ一つの音の作り方が繊細かつクリア。全体のボリューム(音量)はそれほどデカくないのに、構成がしっかりしているので、堅固でがっしりした音が飛んでくる。響きは引き締まっていて余計な贅肉は付いていないのに、味付けは鮮やかなほどに整っている。
 
’仕上げてきた’サウンドだと思った。丁寧できめ細やかで、妥協を排した徹底的なリハーサルが裏で行われてきた感じだ。
 
今回の英雄の生涯で初稿版を使用したとのことであるが、私は初めて聴いた。しかも、予め宣伝告知やプログラムを読んでいなかったので、静かな終わり方にびっくりした。こんな初稿版があったことさえ知らなかった。

2009年にルイージはシュターツカペレ・ドレスデンと来日公演を行い、その時に英雄の生涯を演奏しているが、どうやらその時も初稿版を用いたらしい。(この時私は別のプログラムの日に行ったので、聴き逃した。)
プログラムにルイージのインタビューがあり、この初稿版の終結部について言及していて、「自分の人生の内側を静かに見つめて振り返る老人の姿を描きます。」と述べているのだが、これがなかなか可笑しい。
なぜかというと、確かにラストの部分だけはそうかもしれないが、それ以外は「静かに見つめて振り返る」どころか、「まだまだ血気盛ん」「やる気満々」プンプンの演奏をしているからだ。
まあそれはそれでいいでしょう。
 
読響の演奏がこれまたいい。反射神経抜群。さすがである。
 
あちこちから聞こえてくる「首席(?)常任(?)指揮者」招聘への動きの噂。本当だろうか。
実現したら、それは楽しみなことだが、果たして・・・。