クラシック、オペラの粋を極める!

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新国立のルチア

新国立劇場の「ルチア」プレミエが間近だ。観るべき演目がほとんど見当たらないこの劇場で、私が今シーズン唯一期待している公演である(飯守監督のリングチクルスよりも)。
 
モンテカルロ劇場との共同制作で、演出は同劇場インテンダントのジャン・ルイ・グリンダ氏。台本に忠実なトラディショナル舞台だという前評判については「ああそうですか」って感じ。そこについては、何も期待してません。所詮、新国立。
 
タイトルロールを歌うオルガ・ペレチャッコが最大にして唯一の注目と思っていたが、合唱指揮者の三澤洋史さんのblog情報によると、指揮のジャンパオロ・ビザンティがものすごくいいらしい。三澤さん大絶賛。
新国立劇場に登場したこれまでのイタリアオペラの指揮者の中では、ブレイク前だったF・ルイージに並ぶトップレベル」だというのだ。ほんまかいな。
「イタリアオペラの神髄を深く理解しており、歌手達の微妙なテンポの揺れや表情に、ここまできめ細かく寄り添ってくれる指揮者は、世界中探してもそう多くない」のだと。ふーん。
若干手前ミソも入っているとは思うが、そこまで言うのなら、ちょっと注目して耳を澄ませてみようと思う。
 
また、エンリーコ役のルチンスキーも稽古中から全力投球で、合唱団からブラヴォーが飛び交い、練習がしばし中断になるほどなんだってさ。ほほう。
 
指揮のビザンティも、ルチンスキーも、私は初めて。既に名声を博している一流アーティストの至芸を楽しむのもいいけど、こうした「初めて聴いたけど、すごくいいじゃない!」という体験も、これまた素晴らしい。楽しみにしようじゃありませんか。
 
ペレチャッコについては、私は彼女の実力の程を知っている。狂乱の場アリアの後は、間違いなく大ブラヴォー、熱狂が渦巻くことになるだろう。飯守監督が「是非とも!」といって連れてきたディーヴァ。日本で「これぞ本物」を聴ける最大のチャンスだ。
 
そのペレチャッコ、公演のプロフィールでも、あるいは自身のTwitterでも、「オルガ・ペレチャッコ・マリオッティ」と名乗っている。
そう、彼女はイタリアの俊英指揮者ミケーレ・マリオッティの奥様である。
もう、それだけで私は「ははーっ」とひれ伏してしまいますな。
 
天才と天才。一流と一流。しかも美男美女。
同じ業界に身を置く夫婦で、こうした才能のバランスがお互い見事に取れているカップルっていうのは、いいですなあ。
歌手である奥様の方が地位が高いと、旦那は「カバン持ち?」「ちょうどいい伴奏者?」と言われる。指揮者である旦那様の地位が高いと、奥様は「ソリスト抜擢は旦那のおかげ?」とか言われる。
 
このお二人は、内助の功なんか不要だもんね。
 
そういや、世界には更に彼らの上を行く最強夫婦がいるなあ。
A・ネルソンスとK・オポライス。
オポライスなんて、最近、メトのプリマ的存在だもんね。
 
おっと、話がだんだん横道に逸れ出した。
新国立のルチア。楽しみにしよう。私が行くのは最終日。