クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

今年の夏は、ザルツ行き決定

つまり、アイーダのチケット、取れたっつうこと。
 
いやあ、本当によく取れたと思う。奇跡ではなかろうか・・・。信じられん。
ヴェルディの傑作として誉れ高く、初心者からマニアまで幅広く人気があるアイーダ。これを世界的巨匠にしてヴェルディの権威である皇帝ムーティが振る。歌うのは、出演すれば常にプラチナチケットになるカリスマ歌手、ネトレプコ。彼女自身の初ロール。世界最高の祭典、ザルツブルク音楽祭で実現したドリームプロダクション。
 
こりゃあ、誰もが観たいはずである。
 
音楽祭公式ホームページでは、第一次抽選受付が1月下旬に締め切られると、早々にソールドアウト告示が出た。世界中から申込みが殺到したんだろうということは、想像に難くない。
 
驚いたのは、全7公演すべて完全完売したこと。
実はラストの2公演は残券が出るのではないかと密かに思っていたのだ。ラスト2回、アイーダとラダメスはサブキャストに変わる。つまりネトレプコは出演しないのだ。にもかかわらず完全完売。
これには少々焦った。ネトレプコで取れなくてもサブなら大丈夫だろうと、タカをくくっていたのだ。
別にネトレプコが聴きたいわけではない。マエストロのアイーダが聴きたいのである。駄目だったらサブの方にすればいいや、と思っていたので、当選通知が来るまでの間、非常にヤキモキした。
 
私はムーティアイーダをどうしても鑑賞したかった。昔からずっと待望していた。
ムーティは一番好きな指揮者。アイーダヴェルディの中で最も好きな作品。
スカラ座でついにムーティがこの作品を採り上げる!と思ったら、マエストロはスカラ座監督を辞任してしまった。
その後就任したローマ歌劇場で、改めてムーティアイーダを振る!と発表したら、またもやマエストロはローマ監督を辞任してしまった。
 
もう駄目なのか、その機会は一生失われたのか、と思っていた矢先のザルツブルク公演。にわかに色めきだったら、なんとまあ、タイトルロールはネトレプコが歌う、と。
「おいおい、ちょっと待てよ。そりゃ確かに物凄いことだが、チケットは壮絶な奪い合いだろ。取れねえじゃんかよ。」
複雑な心境だった。
 
こうしてチケットが取れた今、ネトレプコ様には大いに頑張ってもらいたいとひたすら願う。
あ、それと、演出家さんにも一言言わせていただく。
「いいか、勘違いするなよ。これはオマエさんのプロダクションじゃない。ムーティネトレプコ出演のアイーダである。間違っても、自分をアピールする場にするんじゃない。空気を察しろ。くれぐれも音楽を邪魔しないように。」
独りよがりのヘンな演出でマエストロやネトレプコ様のご機嫌を損ね、キャンセルになったら、夜道には気を付けた方がいいと、忠告させていただく。
 
今回の第一次抽選申込みでは、私はアイーダしか申し込まなかった。他の公演が当選しても、アイーダが当選しなかったら意味がないからである。「ああ、アイーダ外れたんだよな。アイーダ観たかったな。」と思いながら他の公演を観賞するのは、まっぴらゴメンなわけだ。
 
アイーダ当選の知らせが来たので、慌てて他の公演を申し込んだ。
クルレンツィス指揮の皇帝ティート、ヤンソンス指揮シュテンメ出演のムツェンスク郡マクベス夫人・・。
 
アイーダばかりが注目されるが、今年のザルツのラインナップはすごいと思う。
上記以外でも、ユロフスキ指揮の「ヴォツェック」、マリオッティ指揮ドミンゴ出演の「二人のフォスカリ」、バルトリ出演の「アリオダンテ」、F・D・フローレスら出演の「ルクレツィア・ボルジア」、古楽好きにはモンテヴェルディのオペラ三連発・・。
コンサートも、ウィーン・フィルではネルソンスで「タコ7」、ブロムシュテットで「ブル7」、バレンボイムで「マラ7」と、なぜか「7番」勝負。他にもハイティンクの「マラ9」、ムーティの「チャイ4」など。
あまりにも錚々たるプログラムで、目が眩みそうだ。
 
アイーダを外しても十分に魅力的なものばかりだが、アイーダとセットなら、より一層光輝く。
今回は本当にラッキーだった。早く来い来い、夏休み。