クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2017/2/3 バッハ・コレギウム・ジャパン

2017年2月3日  バッハ・コレギウム・ジャパン   東京オペラシティコンサートホール
指揮  鈴木雅明
アン・ヘレン・モーエン(ソプラノ)、ロクサーナ・コンスタンティネスク(アルト)、ジェームズ・ギルクリスト(テノール)、ベンジャミン・ベヴァン(バス)
ベートーヴェン  ミサ・ソレムニス
 
 
バロックの専門集団であるBCJがベートーヴェンのミサ・ソレに挑むという話題の公演に行ってみた。
行ってみた - 「とりあえずどんなものなのか」みたいな興味本位。
BCJがバロック演奏において今や世界にも名が通る極めて優秀な団体であることは十分に承知している。
だがあくまでも私個人の問題として、古楽演奏の意義をイマイチ突き止めることができず、そういうことでなかなか受け入れの準備が整わないのである。
(例えば、平安時代の「源氏物語」を読もうとするのなら、現代文に直された物を現代人の感性で読めばそれでいいじゃんか、古文法にアプローチするのはそれって要するに「研究」じゃないか、という素朴な疑問。)
 
この日のミサ・ソレ、感動した。
なんで感動出来たかというと、それは指揮者の鈴木氏を始め、演奏者が「とりあえず古楽奏法でやってみました」の域を完全に超越し、優れた作品解釈の下、純粋に演奏の表現が素晴らしかったからだと思う。音符に潜んでいる魅力を一つ一つ緻密に念入りに掘り起こしていく作業の成果が手に取るように伝わってきたのだ。
確かにそのアプローチは、私が日頃耳馴染んでいるものとは違う。実際、私が知っているミサ・ソレとは聴こえ方が違う。
だが、作品と対峙し、スコアを通じて作曲家と語り合い、音楽の核心に迫っていけば、例えやり方は異なっても、作品は輝き、聴衆の心に響くのだ。
 
もしそうなら、私もそろそろ「古楽演奏だから」という色眼鏡は捨てるべきだろう。古楽演奏だろうが現代演奏だろうが関係なく、優れた音楽家による優れた演奏なら感動できる。
 
また一つ、勉強させていただきました。ありがとうございました。