クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

テオドール・クルレンツィス

今、ロシアのペルミという今まで誰も知らなかった都市から、ものすごい旋風が巻き起こっている。ここの歌劇場の音楽監督に就任し、古楽アンサンブルオーケストラ「ムジカ・エテルナ」を創設したギリシャ人指揮者、テオドール・クルレンツィスがその旋風の中心であり、激震の張本人だ。
 
まさに「知る人ぞ知る」だろう。
ニューカマーであり、来日したこともないので、普通のライトなクラシックファンや、コンサート系愛好家は、あまりよく知らないはず。噂や情報は聞こえているかもしれないが。
むしろ、新譜をしっかりチェックする録音系愛好家の方が、その際立った存在をはっきり認識しているに違いない。
これまでに録音した春の祭典モーツァルトのダ・ポンテ三部作やレクイエムはいずれも評判を呼び、ショスタコーヴィチ交響曲第14番、それからコパチンスカヤと組んだチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(それからストラヴィンスキーの結婚)では、日本レコードアカデミー賞を受賞している。既に日本でも確固たる評価が与えられているのだ。
 
私も、そのいくつか、あるいはライブ映像やドキュメンタリー番組も含めて聴いてみたが、尖がり方、突き抜け方が半端じゃない。切れ味が鋭く、驚くほど鮮烈。クルレンツィスのタクトはナイフそのもの。
特にモーツァルトは、「新鮮」なんて生易しい言葉では言い表せず、まさに「衝撃的」。規格外、異次元のワールドなのだ。
 
世界はもう既に彼に目を付け、つばを付け始めている。
 
超一流アーティストが集うザルツブルク音楽祭
今年最大の話題は、ムーティが振りネトレプコが歌う「アイーダ」かもしれない。
 
だが、影の主役は間違いなくクルレンツィスだ。
 
オペラ「皇帝ティートの慈悲」を振り、さらにムジカ・エテルナとのコンサートで、モーツァルト「レクイエム」とマーラー交響曲第1番」の二公演を振る。多くの世界的オーケストラがゲストで呼ばれているが、二公演を与えられているのは、他にはバレンボイム指揮のW・E・D・Oとベルリンフィルのみである。
 
生鑑賞派であり、最高を一生懸命追い求めている私としては、ここはやはり彼の公演に是が非でも行きたい。ザルツブルクに行きたい。
 
だが、行けるかどうかは、プラチナチケット、壮絶な獲得争いに巻き込まれる「アイーダ」の申込結果次第。
 
ううーーーん。こりゃ厳しいか・・・。