なんだか来年はベートーヴェン作品を採り上げる公演が、やたら多そうな気配だ。
それもそのはず、生誕250年という記念年なわけである。
各主催団体やホールなどから、来年の公演スケジュールがぼちぼち出始めているが、既に発表されているものだけでも、ベートーヴェン作品を前面に押し出したり、チクルスやシリーズにしてみたり、といった箔付け公演が目に付く。おそらく、その数はもっともっと増えていくことだろう。
そうした冠を掲げ、話題作りして盛り上げよう、目玉公演として売り出そう、集客力を増強させていっちょ儲けたろう、なんていう目論見は、考えてみれば興行としてある意味当然のこと。別に、クラシック関連に限ったことじゃない。
だけどさあ、ベートーヴェンだとかモーツァルトだとかの時はそうやって騒ぐくせに、今年なんかどうよ。ベルリオーズ没後150年だぜ!? オッフェンバックとスッペの生誕200年だぜ!? もうちょっと祝ってやれよ!
なーんていうツッコミは、完全にもみ消されてしまうわけだ。売れなきゃ話にならん。世の中、厳しいのである。
そんなことより、コンサートゴーアーの私としては、ここぞとばかりにベートーヴェンを聴かされる羽目になるのが、怖い。
私は嫌なのだ。偉大な作品が大量消費によって貶められ、聴くことにうんざりしてしまうのが。
飽きたくないのだ。偉大な作品をいつまでも永遠に崇めていたいのだ。
せめて出来ることは、自制し、厳選しながらチケットを買っていくこと。
でもねえ、これがまたなかなか難しいんだよねえ・・・。
クルレンツィス&ムジカ・エテルナが2日連続でベト7+Vn協と第9やるんだったら、そりゃ行くっきゃないでしょう。
で、その後、ベルリン・フィルがやっぱり第9をやるんだったら、これも行くっきゃないでしょう。
もはや諦めるしかないのかねえ・・・。