2016年12月4日 ラン・ラン ピアノリサイタル サントリーホール
チャイコフスキー 四季
ピアノ界のスーパースター、ラン・ラン。
サントリーホールでのリサイタルは完売。会場は熱気むんむん。
女性の比率、圧倒的に高し。ロビーに漂う化粧品や香水のあま~い匂い。そして女性トイレのなが~い列・・・。
CD売り場に群がる人、人、人・・・。
みんなのお目当てはもちろん終演後にもらうサインだろう。実際、サイン会はものすごい長蛇の列だったそうだ。
すごいなあ。アイドル顔負けだよなあ。
そんなラン・ラン人気に眉をしかめる輩たち。「ブルックナーの精神性が・・」とかぬかしそうなクラヲタ野郎どもだ。
連中はアイドル演奏家が大嫌い。華やかさが脚光を浴びる演奏スタイルが大嫌い。ストイックさを好み、巨匠を崇拝し、西欧を崇拝し、そしてその裏側に「よりによって中国人とは・・・」といった人種的偏見が潜む。
確かに彼のパフォーマンスは、鼻につくような「カッコつけ」がある。女性たちはクラクラするかもしれないが、「別にそんなポーズ、必要ねえだろ」と突っ込みたくなる気持ちも、まあ分からんでもない。女にもてない野郎どもは、女にもてるヤツのやること一々が嫌いなのだ。
さて、と・・・。
そういうことはさておき、まずは耳をすませてみよう。
何なら目をつぶったっていい。彼の音楽に集中してみよう。
で、私の感想を述べる。
ラン・ランはとてつもない桁外れのピアニストである。
次から次へと繰り出される音のバラエティさ、音色の多彩さ、表現の幅広さ。そして、それらを引き出すための縦横無尽で盤石なテクニック。驚異的の一言だ。
彼にかかれば、どんな演奏だってお手の物。聴いていると、ピアノという楽器、ひいては音楽というジャンルの可能性が無限大であることが分かる。
不可能を可能に変える。現実をファンタジーに変える。
彼がピアノを弾いたら、どんな世界の窮地をも救えるのではないかという気がしてくる。オーバーだが、そう思わせる魔法のピアニズム。
結局、要するに、すなわち、つまり、彼はスーパースターなのだ。もう、これに尽きる。
野郎ども、諦めろ。