2016年8月7日 ザルツブルク音楽祭 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮 ズービン・メータ
マティアス・ゲルネ(バリトン)
A・ペルト 白鳥の歌
マーラー 亡き子を偲ぶ歌
微妙な演奏である・・・。
だが、なんというか、さらりとかわされてしまったような味気無さで、あっけにとられた。
ウィーン・フィルの夏は猛烈に忙しい。ザルツでのオペラやコンサートのスケジュールは、それこそ殺人的である。お疲れモードの中、優しいメータさんに甘えてペース調整したのではあるまいか。
まさか・・とは思うが、そう勘ぐってしまいそうなあっさり演奏。
メータもメータで、「自分はこの曲を熟知しているし、オケの皆さんもこの曲を熟知している。よって、何の問題もない。」みたいなあっけらかんとしたドライブ。負けない限り決勝トーナメントに進めるチーム同士の対戦で、「今日はお互い引き分けで良し」と暗黙の了解を図ったかのような出来レース。
音楽祭ツアーに参加して「ザルツブルクで、メータの指揮で、ウィーン・フィルを聴いたぜ!」と自慢したい人たちにとっては、格好の演奏会だったことだろう。私の前方右側付近にブロックで集まって熱心に拍手をしていた日本の皆さん、良かったねえ。おめでとう。
終演は午後11時10分。
音楽祭を開催する世界的な観光都市で、実際こんなに夜遅くまで公演があるというのに、この時間になると食事を取れるレストランがもうほとんどないというのは、本当に絶望的である。24時までやっていると看板に書いてある店も、「食事はアウト。飲み物だけならOK。」
経験上、会場付近で23時を過ぎる公演の後でも食事を取れるレストランを2つ知っているが、いずれもやや高級。給仕のサービスは良いが、「あー、チップが必要なんだな、これ。」というのが見え見えで、うぜぇ。事実、お勘定35.8ユーロで40ユーロを差し出すと、当たり前のようにお釣りは出てこず、持っていかれた。
私は日本の居酒屋が好きだ。ザルツに出店してくれないかしら・・。