クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

ウィーンでの公演チケット

 色々な人からよく聞かれること。
「海外の公演チケットをどうやって取っているのか?」
 その答えはとてもシンプル。
「ネットから。」
 コンサートもオペラも音楽祭も、主催団体のHPにチケットに関する案内がある。そして、そのほとんどがオンラインチケットシステムを導入していて、HPからダイレクトで取ることが出来る。あのバイロイト音楽祭でさえ、今やネットで直接買える時代になった。ほんの少しの英語力とクレジットカードさえあれば、一部の特別な公演を除き、誰でも簡単にチケット入手できるのだ。

 と言っておきながら、やはり細心の注意を払う必要がある公演、劇場、オーケストラというのは確実に存在する。誰もが認める世界の最高峰、ウィーン・フィルウィーン国立歌劇場の二つは、実は少々気を付けなければならない団体だ。
 ちょうどウィーン・フィル来日公演の記事を書いたタイミングもあるので、本日はそれについて書いてみたい。(ブログをスタートさせてから初期の頃に「ウィーン・フィルのチケットの取り方」という記事を書いたような気がするが、改定版ということでご容赦願いたい。)

1 ウィーン・フィル
 まずはウィーン・フィルのホームページをご覧になっていただきたい。

http://www.wienerphilharmoniker.at/

 ドイツ語、英語に並んで日本語バージョンが開設されている。いかに日本のファンが多いかを示すものであるが、そんなことはまあいい。最大の問題は、そこにチケットの一般発売案内がないということだ。

 こんなオーケストラは、世界でおそらく唯一じゃないか。まったく敷居の高いオーケストラである。
 要するに「最初から一般に向けられたチケットというのはない」ということなのだが、これについては熱心なクラシック・ファンなら誰でも知っている事実。なので、一般的には公演が含まれたツアーを利用するか、代理店やブローカーに依頼するというのが、昔も今も定番だ。もちろん、値段は割高になる。

 だが、高額なお金を出したくない貴方。ここで諦めてはいけない。チャンスはある。
 定期会員や優待招待などからキャンセルが生じ、主催者に戻ってくるチケットがある。数は決して多くないが、それをHPで一般に売り出す。これを狙う。タイミングとしては公演の直前。一週間前くらいからぼちぼちと出てくる。なので、頻繁なチェックが必要だ。
 定期公演の場合、土曜日の午後公演と日曜の午前公演、年に何回かの月曜夜公演があるが、傾向としては土曜午後公演が比較的放出量が多い気がする。

 もちろん、確実性という意味においてはリスクがある。チケットが取れるかどうか気を揉むことなく何が何でも聴きたいというのなら、相応のお金を支出すればいい。ただそれだけのこと。会場にはそうやって入場を果たした同胞たちがたくさんいる。

 なお、年に何回か別会場のコンツェルトハウスで行われる公演もあるが、こちらはもう少し簡単。コンツェルトハウスのHPにアクセスし、そこのオンラインシステムで入手可能だ。意外と残っている。

2 ウィーン国立歌劇場
 公式的には公演の「2か月前から」HPのオンライン(実際はチケット販売を委託されているCULTRALL社)で一般発売されるのだが、申込自体はその前から可能。

 ここで、注意しなければならいないことがある。
 「2か月前から」と言いながら、良席のカテゴリー(いわゆるS席とA席)は、「アボナメントの先行受付をしてもまだ余裕」と見込まれた場合、事前であってもどんどんと一般用に売り出していく。
 「せっかくだから、高くてもいいから良い席で鑑賞したい」という人は、そうやって早々に入手することが可能だ。

 問題は、予算の都合上、高額席を望まない場合。

 事前申込みの際、希望カテゴリー(席のランク)の希望範囲を入力することになる。
 まず最初に入力項目で「お望みの席種カテゴリーの範囲」(ランク○席から○席まで)が尋ねられ、その次に「accepted priceの範囲」が尋ねられる。要するに「もしご希望の席種確保が難しそうな場合、あなた、どこまで価格範囲を広げられますか?」ということなのだが、ここが非常に悩ましい。
 
 本当はB席とかC席あたりで抑えたいところだが「そうは言っても、どうしても観たいしなあ・・」という思惑もあり、ついS席A席まで広げたとしよう。すると、すかさずS席が割り当てられ、「チケットがご用意できました!」という連絡が入る。本当の希望はC席なのに・・・というわけ。

 かと言って、受け入れカテゴリーを狭めれば狭めるほど、入手の可能性が低下する。これが本当に難しいのだ。

 カギとなるのは、「その公演の人気、グレードがどの程度のものか」ということ。

 通常のレパートリー(再演)公演、特別な指揮者や特別な歌手が出演しない公演は、それほど気にしなくてもよく、ほぼ確実に入手できる。許容カテゴリー範囲を拡大させる必要なし。
 一方、プレミエ(新演出)、特別な指揮者や特別な歌手が出演する公演は、即座に売り切れる場合があるので、ケチるのは得策ではない。

最もヤバいのは、「あの二人」が出演する公演。
分かるよね、あの二人。
そう、カウフマンとネトレプコ
信じられないことだが、一般発売ゼロという異常事態が平気で起こる。どんなに許容カテゴリー範囲を広げてもダメ。アウト。

 この場合、どうしたらいいか。
 オンライン申込みの際、「いつまで待てる?」というチケット確保の待機デッドライン入力項目があり、それが最後の最後に効いてくる。上記1のウィーン・フィルもそうだが、直前ギリギリで出てくる可能性があるからだ。
 ちなみに私は一昨年、カウフマンが出演したオペラ「西部の娘」を鑑賞した。入手難であることは申し込む段階から想定済。事実、一般発売ゼロだった。
 「いつまで待つか」という入力項目で、私は出発日前日(公演の4日前)を指定した。その最後の最後でチケット入手が確定したのであった。

果報は寝て待て。しかもギリギリまで諦めない。
どうしても観たかったら、「これは価値がある高級な公演なのだ」と自らに言い聞かせてお金を払うか、もしくは立見席狙いで体力勝負に持ち込むという手もある。

とはいえ、何とかなるもんですよ。今まで高い金を払わずに何とかなってきた私が言うのだから、間違いありません。