ボストンからニューヨークへの移動については、計画段階で迷った。
旅行のハイライト、メトの「湖上の女」開演は午後1時から。なので、午前中のNY入りが必要。リスクを最小限にしたいのなら前日中の移動が望ましいが、NBAをどうしても観たいという欲が勝った。だとしたら当日移動だが、遅延等に巻き込まれないように、少しでも確実でなおかつ早い移動手段を見つけなければならない。
早いだけならもちろん飛行機。ただし、遅延やキャンセルのリスク発生は否定できない。
ということで私が選んだのが、全米広域を網羅する長距離電車Amtrak(アムトラック)。ボストン-ニューヨーク間を約3時間半から4時間で結んでいる。
運行スケジュールで、午前6時40分にボストンを出発して、午前10時50分にニューヨークのペンシルバニア駅に到着する電車を確認し、ネット予約。急行ではなく普通列車だが、これが一番早い時刻に到着する。開演まで2時間以上の余裕。先にホテルに出向いて荷物を降ろすことも出来るだろう。何よりも、電車なんだから遅延やキャンセルのリスクは格段に少ないはずだ。
・・と思ったら、これが結構甘かったぜ。
予約した後にネットで色々調べてみたら、Amtrakは遅延が日常茶飯事とのことであった。
なんだよ、まったく。ここはイタリアか?アメリカだろ?世界一の経済大国だろ?しっかりしろって。
案の定、出発してわずか15分で電車が突然停車。車内の照明が一時落ちた。なんだか嫌な予感。いやいや、2時間の余裕があるのだ。大丈夫、焦るな焦るなって。必死に自らを落ち着かせる。
結局ニューヨークには30分遅れの午前11時20分に到着。まったくもう。でも大丈夫。これでオペラには間に合う。
駅の構内から外に出て、摩天楼の中でいきなり方向感覚を失った。えーと、ここはペンシルバニア駅なわけだが・・乗らなければならない地下鉄1号線の入り口はいったいどこだ?(1号線の地下鉄は駅と直結しておらず、100メートルくらい離れている)
ニューヨークは初めてではないし、今回は観光もしないので、ガイドブックも地図も何も持ってこなかった。頭に入っている情報と感覚だけで移動をしなければならなかった。問題ないと思っていたが、結構ヤバかった。大きな荷物を抱えキョロキョロしながら徘徊している私。プロの窃盗団がいたら、格好のターゲットだっただろう。
ようやく地下鉄駅を見つけ、プリペイドカード切符を購入し、何も考えずにホームに入ったら、ここでもやらかしてしまった。
ニューヨークの地下鉄には、上り方面と下り方面で改札口がそれぞれ別で相互通行が出来ない駅があるのだが、まさに逆方向のホームに入ってしまったのだ。再び呆然と立ちすくむオレ。「そうだった、そういえばニューヨークはそうだった」と気がつくが、後の祭り。入り直したが、乗車料金が1回余分にぶん取られた。
結局私はニューヨークに到着してから、かれこれ30分近くもオロオロしていたことになる。情けない。くそったれめ。
ホテルに到着したのが12時20分。荷物をおろしてすぐに歌劇場に向かい、到着したのが12時45分。ギリギリというわけではなかったが、2時間の余裕はあっという間に消えていた。
いやいや、何度経験しても海外旅行というのは大変だねえ・・・。