クラシック、オペラの粋を極める!

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2014/4/13 新日本フィル

2014年4月13日   新日本フィルハーモニー交響楽団   サントリーホール
指揮  アンドリス・ポーガ
合唱  栗友会合唱団
エギルス・シリンス(バス)
メシアン  キリストの昇天
ショスタコーヴィチ  交響曲第13番バビ・ヤール
 
 
 ポーガという指揮者は知らなかった。ラトヴィア出身だそうだ。ということは、ヤンソンス、そしてネルソンスと続いていく世界への飛翔の系譜なのだろうか。
 指揮姿はお世辞にもエレガントではない。だが、それがかえってパフォーマンスありきではなく、基本に忠実、スコアに誠実といった印象を抱かせる。音楽を包み込む懐の広さも感じられて、とても好感である。
 
1曲目、メシアン
 私は現代音楽は嫌いだが、メシアンはいいと思う。このキリストの昇天も結構好きな曲だ。
この曲をライブで聴いたのは、なんと約30年ぶり。
N響の公演だったのだが、指揮者は誰だったと思う?
なんとマレク・ヤノフスキだったのだ。前日に聴いた指揮者。なんとも不思議なつながりだのう。
 
2曲目、ショスタコ
 私が大のタコ好きであること、レアかつマニアックで決して人気があるとは言えない曲を果敢に採り上げてくれたこと、こうした加算ポイントを除いたとしても、渾身の名演だったのではないだろうか。やってくれただけでも感謝感激なのに、なおかつ素晴らしい演奏を披露してくれた指揮者ポーガと新日本フィルに盛大な拍手を送りたい。
 
 オーケストラも、合唱も、バス・ソロも、とても充実していた。作曲の背景、曲の性格、歌詞の意味などを見れば、ひたすら重く暗く沈鬱した演奏も可能だと思うが、過度に表題にとらわれず、5つの楽章を持つ交響曲としての音楽的品位が保たれていたのは、個人的に良いと感じたところだ。
 
 ところで。
 今回のバス・ソロに指揮者の同郷であるシリンスを迎えることが出来たのは大きなポイントだったと思うのだが、ここで一つ疑問が湧く。
 シリンスは同じ時期に開催された東京・春・音楽祭ワーグナーシリーズに出演歌手だったわけであるが、新日本フィルとライン・ゴールドの両方の出演がいったいどのようにして決まったのだろうか。
 
 どっちが先に決まったのだろう。偶然のたまたまなのか、同郷指揮者の関わり(推薦)があったのか。プログラムが先に決まっていたのか、それとも出演者が決まってから曲を決めたのか。日程は既に定まっていたのか、シリンスが両方出られるように調整した結果なのか・・・。
 
 クラシック公演のプログラミングや出演者の人選というのは、おそらくものすごく複雑で、主催者にとって非常に難しく、悩ましいことであるに違いない。それが公演の成否に直結するし、集客数にも直結するのだから、なおさらだ。
 でも、それだけ担当者にとっては腕の見せどころなのかもしれないけどね。