今回の紀尾井シンフォニエッタの公演をとても楽しみにしていた理由、定期公演の年間スケジュールが発表された昨年から絶対に行こうと決めていたその理由、それは招聘ソリストの一人、ソプラノのラウラ・ジョルダーノなのだ。
オペラオタクを自認するこのワタクシが注目する歌手なのであるからして、「そんなにいい歌手なのか?」と思ってくれるとそれは大変ありがたいのだが、すまん、ちょっと違う。
もちろんいい歌手であることは間違いないのだが、歌手としての才能、技量よりも注目すべきこと、それは、ええーと、恥を忍んで言うと、つまりカワイイのである(笑)。もうね、アイドルですな、はっきり言って。
笑いたきゃ笑え。「いい年こいてアホか」と言いたきゃ言え。ああ、構わんとも。何が悪い?
写真見せたるわい。海外のどっかのHPから拝借した。ご勘弁。
最初に彼女を発見したのはイタリアのトリエステで、ヴェルディ「仮面舞踏会」のオスカルだった。もう8年前のことだ。そのあまりに可憐でキュートな舞台姿に、オジサンは思わず目が釘付けになった。私は普段、演奏終了後のカーテンコールでは写真は撮らないのだが、この時ばかりはラウラちゃんのお姿をパチリと撮ってしまった。「ムフフ・・」と思って帰国し、出来上がった写真を見てみたら、完全ピンぼけで、低性能なカメラを心の底から呪った。(本当は自分の技術が未熟なだけ。)
イタリアであと一回彼女が出演したオペラを観ているが、そのことについては後述する。
オペラの映像では、ドニゼッティ「ドン・パスクワーレ」のノリーナ役が絶品だ。
舞台姿も良いが、茶目っ気たっぷりの演技と堂々たる歌唱で、観ている人のハートを鷲掴み。素敵です。チャーミングです。最高です。
まあな。英雄色を好むわけだ。男なら当然か。イタリア人だしな。
それにしても、ラウラちゃんを目ざとく見つけるとは、さすがマエストロとしか言いようがない。
そんなラウラ・ジョルダーノだが、実は日本のオペラファンをがっかりさせる背信行為を犯している。
事態は残念な方向へ向かってしまう。来日中止となり、キャストが変更された。新国立劇場の発表によると、「体調不良」ということだった。
うーむ、これはけしからん。糾弾されてしかるべきであろう。
ところが、ここでサプライズが私に起こる。
「喜んでいいのか、複雑な心境」と言いたいところだが、実はちゃっかり大喜びしたことを正直に告白しておこう。
日本のファンへのお詫びということで、是非改めて新国立劇場に登場願いたいものだ。
定評のあるアディーナ(愛の妙薬)、ノリーナ(ドン・パスクワーレ)、アミーナ(夢遊病の女)などもいいが、個人的には新規レパートリー開拓で、「カプレーティとモンテッキ」のジュリエッタなんか結構いけるんじゃないかなあ。ロメオはガランチャ様で決まり。
そうしたら、S席のかぶりつきで観ちゃおうかな(笑)。