クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2013/6/25 ロイヤル・フィル

2013年6月25日  ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団   文京シビックホール
シベリウス  カレリア組曲
ラヴェル  ダフニスとクロエ第二組曲
 
 
 ロイヤル・フィル来日公演で、本日のサントリーホールではなくて文京シビックホールの公演を選んだのは、こちらの方がプログラム的に魅力があると感じたからだった。特にカレリア組曲は私自身がその昔演奏したことがある馴染みの曲でありながら、滅多にコンサートでやらないため、是非聞きたかった。
 
 ところがこの日、夕方から仕事の打ち合わせが入ってしまい、コンサートは遅刻が見込まれた。プログラム一曲目のカレリアはアウトという状況だった。
 仕方がないと割り切ったつもりだったが、やはり諦めきれない。「だってさー、カレリアを聴きたいからこの日にしたわけでしょ??」という思いが私を突き動かした。
 
 私は打ち合わせを自ら仕切った。時に強引にまとめていった。就業時間を少しオーバーした頃、私は恐る恐る切り出した。
「あのー、すみませんー、実はちょっと所用がありまして・・・。ズルズルと残業時間に食い込ませるのも良くないので、本日はここまでにしませんか??」
 
 スパッと会議が終了。大成功。うっしっし。
 この手がいつも通用するわけではなく、仕事上、どうしようもない残業はこれからも起こり得るのだが、今回はバッチグーだった。
 
 ダッシュで会場に向かった。それでも到着したのは開演の午後7時ちょうどだった。
 
 1曲目、カレリア組曲。演奏を聞きながら、思わずニンマリ。「この曲を聴くために、オラ頑張ったぜ!」心のなかで呟いた。
 
 それにしても、いい曲だなあ、カレリア。民謡風で、シベリウス交響曲にありがちな峻厳さがなく、平易で優しくて、郷愁を誘う。フィンランドののどかな自然と温かい現地の人を思い出した。くそー、また行きたくなった。
 
 この日の演奏は、カレリアを含め、どれも実に素晴らしかった!
 デュトワの精妙な音楽づくりが功を奏したのは間違いなし。バランスが良く、響きが透明で美しいので、大音響になっても決して耳障りにならない。デュトワの真骨頂。その昔、モントリオール響との共同作業によるラヴェルドビュッシー管弦楽曲を夢中になって聴いていたが、当時の興奮が蘇った。色彩鮮やかなフランス風の響きをロンドンのオーケストラから引き出したのだから、大したものだ。もし他の指揮者が同じプログラムを振っても、こういう成果は得られないだろう。さすがはデュトワ。これぞデュトワ・マジック。
 
 アンコールのラコッツィ行進曲も良かった。実はこの曲もワタシ演奏したことがあるんだ。懐かしかった。
 こりゃー仕事をぶっちぎって全力で駆けつけた私へのご褒美かな??(笑)
 なんちて、な。