クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

エクサン・プロヴァンスへの道

エクサン・プロヴァンス音楽祭に行こうと思い立った理由について、以前の記事で「ゴールデンウィーク旅行に行けなかった腹いせのため」と書いたのだが、本当は別の直接的なきっかけがあった。貯まっていたマイレージの有効期限切れが迫っていたのだ。
 2年くらい前から飛行機の選択を、それまでずっと利用していたエールフランススカイチームメンバー)から、ルフトハンザなどが所属するスター・アライアンスチームに切り替えた。しばらくスカイチームのフライトを利用しなかったことにより、貯まっていたマイレージがもうすぐ失効しそうになったのである。
 
 エールフランスはあまり乗りたくないが、だからといって日本-ヨーロッパ間を余裕でビジネスクラス往復出来るくらい貯まっていたマイレージをやすやすと放棄してしまうのはもったいない。
 選択肢は2つ。フライトチケットを購入してマイレージの有効期限を更新するか、あるいは失効する前にマイレージを利用した無料航空券で、一気に使い果たしてしまうか。
 
 悩んだ結果、フライトチケットを購入して更新することにした。マイレージがあると、例えばヨーロッパ間のちょっとした移動で無料航空券を使うなど、その利用価値は大であり、持っているに越したことはないからである。
 
 ということで、慌てて行先を探し、エクサン・プロヴァンスに決めたというわけ。
 
 出発は7月11日(木)、午後9時55分発の夜便。翌早朝にパリに到着。接続フライトでマルセイユに飛び、そこからバスで30分。順調なら、午前10時にはエクサン・プロヴァンス市内に入れるはずだ。
 
 初夏の南仏で優雅なバカンスといきたいところだが、ご存知のとおり世界的な知名度を誇る音楽祭がまさに開催中。目的は当然それになる。
 鑑賞予定は次のとおり。
 
7月12日
ヴェルディリゴレット  G・ノセダ指揮  R・カーセン演出
7月13日
R・シュトラウスエレクトラ  E・P・サロネン指揮  P・シェロー演出
モーツァルトドン・ジョヴァンニ  M・ミンコフスキ指揮  D・チェルニャコフ演出
 
 指揮者も演出家もビッグネーム揃いだが、それよりもスゴいと思うのは、ピットに入るオーケストラがパリ管とロンドン響だということ。豪華!なんという贅沢!
 そう言えば、数年前までベルリン・フィルがピットに入り、ラトルが指揮してニーベルングの指環チクルスをやっていたっけ。さすが世界的な音楽祭である。
 
 オペラは楽しみだが、一方で一抹の不安がある。
 短期なので、現地時間に慣れるほどの日程的余裕がなく、間違いなく時差ボケに苦しむだろう。
 
 にもかかわらず、二日目はオペラのダブルヘッダー敢行というこの馬鹿さ加減。午後9時半から始まるオペラの終演は午前1時を回るんだとさ。恐ろしい。きっと眠くなるだろうに、そこまでしてオペラ見たいのかよ?我ながらホント呆れる。
 とにかく、体調を万全に整えることに全力を注ごうと思っている。
 
 もっとも、だからといって、夜のオペラに備えて昼間ホテルに閉じこもるつもりもない。
 それはもったいない。せっかくのエクス、せっかくのバカンス。降り注ぐ南仏の陽光をたっぷりと浴びてこようと思う。
 実は、ネットでレンタサイクルの予約をした。市内の高台からはセザンヌが絵画の題材にしたサント・ヴィクトワール山の雄姿を遥かに望むことが出来る。なので、自転車で市街を飛び出し、郊外の美しい自然を堪能しつつ、セザンヌの憧憬に思いを馳せようと思っている。
 
 いずれにしても、現地滞在わずか二日なので,楽しい旅行は一瞬にして終わってしまうだろう。つかの間の夢。ゆっくりのんびりぐーたら旅行はその次のペーザロまで待つしかあるまい。