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2009/9/21 セヴィリアの理髪師

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2009年9月21日 パリ・オペラ座  バスチーユ劇場
ロッシーニ  セヴィリアの理髪師
指揮 ブルーノ・カンパネッラ
演出 コリーヌ・セロー
アントニーノ・シラグーサ(アルマヴィーヴァ伯爵)、カリーヌ・デシェイエ(ロジーナ)、アルベルト・リナルディ(バルトロ)、ゲオルグ・ペテアン(フィガロ)、パータ・ブルチュラーゼ(ドン・バジリオ)他


 既に映像商品にもなっているので、ご覧になった人もいるかもしれない。フランスの女流映画監督による演出はイスラム風、アラブ風仕立てになっている。

 北アフリカにも近いアンダルシア地方のセヴィリア。果たして舞台の場所は、イスラム文化の影響を受けたセヴィリアなのか、それともかつてセヴィリアと同じ文化圏だったこともあるモロッコアルジェリアなのか??? 砂漠らしい背景からして、なんとなく北アフリカに思えるが・・・よく分からない。

 いずれにしても演出家は、かつてイスラム文化を共有していた圏内という歴史にヒントを得て、いつもとはちょっと違う角度で舞台を創ろうとしたのだろう。アイデアは悪くない。同じ移し替えでも、椿姫の臨終の場所を精神病院に変えたり、リゴレットマントヴァ宮殿を‘猿の軍団’の惑星に変えたりするよりよっぽどいい。

 ただ、個人的な意見であるが、どうせならもっと踏み込んでほしかった。場所を変えたその意味は何か。そのココロは何か。
 切り口なら色々ある。異なる文化がもたらす物。影響、光と影、相違と類似、征服と同化、摩擦や軋轢などなど。
 残念ながら実際は「設定場所を変えてみました」でだけで終わっている気がする。上記のところまで切り込んでいくと、オペラブッファの愉悦の域を超えてしまうのを恐れたか?

 まあいいや。
 普段とは違うエキゾチックな「セヴィリアの理髪師」も、十分楽しかったし。

 歌手では、何と言ってもシラグーサが圧倒的。我々日本人にとっては、なかなかお目にかかれなくなってしまったフローレスよりも馴染みが深い。私自身もシラグーサはアルマヴィーヴァ伯爵だけで3度目だ。だが、名人芸は何度味わっても良い。パリっ子たちも熱狂の大喝采だった。

 それ以外では、ブルチュラーゼのとぼけた演技がなかなかハマっていた。フィガロを歌ったペテアンは今回の発見。日本に帰ってから調べたら、ハンブルグを中心に欧州で活躍しているようだ。是非覚えておこうと思う。