早朝ミュンヘンから飛行機で移動し、午前9時にミラノに到着。晴れ。
まったくイタリアという国はこれなのだ。人に迷惑をかけることによって自分たちの利益を勝ち取ろうとする手段を、正当な権利だとして年中頻繁に行使するような民族(フランスやスペインを含むラテン系の連中)を、私は信用することが出来ない。もっと成熟してほしいものである。
ストで公演が中止になる場合は、劇場に掲示されている公演ポスターにその旨を知らせる張り紙がされる。
居ても立ってもいられず駆けつけてみると、ポスターには何の張り紙もされていなかった。「お?これは大丈夫か!?」と思ったら、よーく見るとそれは前日の公演ポスターだった。まだ差替作業が済んでいなかった。確かに午前10時くらいだったからまだ早かったのだが、これがウィーンだったら、前夜のうちに差替作業を済ませておく。そういうもんじゃないの?
でも少しだけ安堵した。というのは、つまり前日の公演は中止にならずに上演されたわけだから。ストライキは単発だったということだ。
そんなことを思いながらしばしスカラ座正面でボーっと立ちすくんでいたら、やって来ました日本のツアー団体の皆さんがぞろぞろと。
旗を持った添乗員が、声を上げて説明を始めた。
「はい、皆さん。ここが有名なスカラ座という世界最高のオペラハウスです。ここは非常に高級な劇場で、紳士や淑女の社交の場ともなっています。ここでは皆さんも聞いたことがある椿姫やカルメン、蝶々夫人などのオペラが毎日のように上演されているんですよ!」
まあねえ、シロウトの団体旅行客向けの説明としては、それでいいのだろうけどさ・・・。
ツッコミを入れたい衝動を抑え、私はそそくさとその場を立ち去った(笑)。
実は今回、是非訪れたい場所があった。密かに計画したミッションを決行しようと思った。
その場所というのは、スカラ座からブレラ通りをまっすぐ抜けた所にあるサン・マルコ教会。
この教会の名前を見てピンときた方は、相当のクラシック通です。さあ、分かりますか?ヴェルディのゆかりの場所ですよ。
答えをお教えしましょう。この教会はヴェルディのレクイエムが初演された場所。指揮はもちろん作曲家自身。イタリアの有名な作家マンゾーニの没後一周年に際して演奏されたのである。以下の写真は教会前の広場に掲示されている説明看板。英語も併記。読めるかな?
さて、計画したミッションとは、この教会内でヴェル・レクを聴くこと。
いやもちろん、生公演ではない。i-podですってば。イヤホンで聞くんですよ。
教会内に並べてある椅子の一つに腰掛け、さっそくミュージックスタート!
うーーーーーん。こうして聞くと趣きがある~~!!いいっすねえ!(笑)
だが一つ問題が。教会内、寒いっ!!
じっと座って聴いていたが、だんだん耐えられなくなって、仕方なく教会内をぶらぶら歩き回りながら鑑賞した。
結局全曲を聴き通せませんでした。それでもダイジェストで1時間くらい聴いたかなあ。まあいいでしょう。充分でしょう。満足満足。(こんなことして喜んでいるオレって、やっぱりネクラなクラヲタなんだろうか?)
お昼は、サン・マルコ教会にほど近い「タヴェルネッタ・ダ・エリオ」というガイドブックにも載っているレストランで、ちゃんとしたイタリアンをいただく。ここのレストランを訪れたのはこれで3回目。とても美味しいですよ!お薦め。ガイドブックにも載っているだけあって、ちゃんと日本語メニューもあるのはいいのだが、日本語メニューにはなぜか値段が書かれていない。イタリア語と日本語の両方のメニューをもらう必要あり。
あのね、こういうところでは私はちゃんとワイン飲むんですから!いつもビールばっかりじゃないんですから!