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2012/12/7 N響C定期

2012年12月7日  NHK交響楽団定期演奏会   NHKホール
ルイ・ロルティ(ピアノ)
ベルリオーズ  序曲ローマの謝肉祭
リスト  ピアノ協奏曲第2番
レスピーギ  ローマ三部作(ローマの祭り、ローマの噴水、ローマの松)
 
 
N響が来年のザルツブルク音楽祭に招待された。指揮はもちろんマエストロ・デュトワ
よっ!やったね!
祝祭大劇場じゃなくてフェルゼンライトシューレっていうのが、扱いがちょっと悲しいけどな(笑)。
まあでも、快挙であることは間違いないだろう。名誉音楽監督デュトワのネームバリューが多少なりとも後押ししたか?
N響はこのデュトワに加えて、ブロムシュテットとプレヴィンを指揮者陣に揃えているのは実に素晴らしい。実にもったいない。あ、違うか(笑)
 
冗談はさておき、今年も来てくれました、毎年12月恒例、デュトワのコンサート。日程の都合で残念ながらA定期(「夜鳴きうぐいす」と「子供と魔法」)は聞けなかったが、この日も十分に魅力的かつ意欲的なプログラムだ。いかにもデュトワの得意技って感じ。
 
やはりというか、一曲目のローマの謝肉祭からいきなり快演!うまい!N響がというより、デュトワのドライブが絶品。そう、あたかもスポーツカーを颯爽と乗り回すかのようなドライブ。やっぱりデュトワの得意技だ。
 
二曲目のリストのコンチェルトもパワフルで良かった。失礼ながら知らないピアニストであったが、略歴によると、モントリオール生まれで13歳の時にモントリオール響と共演を果たしたということで、ひょっとしてデュトワが発掘したのであろうか?
日本のコンサートでは珍しいファツィオリのピアノを使用。見慣れないロゴマークに、客席では「あれ、どこの楽器??何て書いてある??」とのヒソヒソ声があちこちから。演奏よりも、ピアニストよりも、楽器に注目が行ってしまったのは、ちょっと目算が外れたか?(笑)
 
そして圧巻のローマ三部作。NHKホールいっぱいに響かせる大音量を創出しながら、それでもバランスが取れた機能的で美しい色彩感溢れる音楽を構築させたのはさすがデュトワである。
 
私は昔ラッパを吹いていたので、どんなに安定した技術を保持していてもミスが起こってしまう金管楽器に対して相当温情をかけられる人間であるが、それでもローマの祭りの冒頭部分の破綻はいただけない。一番カッコ良くて一番目立つところだぜ。あそこは頑張らないとね。
 
それにしても、「ローマ三部作だけ」というコンサートも十分ありなのに、更に序曲とコンチェルトを含めた盛りだくさんのプログラム。「こりゃ二時間半コースかな?」と思ったのに、休憩時間を少し詰め、ソリストにアンコールも弾かせず、更にはローマ三部作を「三楽章の交響詩」のようにして、見事きっちり二時間で仕上げたのは、あっぱれ。これもデュトワの優れた管理能力の賜物だったのだろうか??うーむ。