クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2012/8/11 マチェラータ2

「ここが本当に世界的に有名な音楽祭の開催地なのだろうか!?」
 
 マチェラータの旧市街(中心地)をブラ歩きしながら、私はまるで狐につままれたような感覚を覚えた。
 
 オペラ・フェスティバルの会場であるスフェリステリオ・アリーナ(野外劇場)の収容人数はおよそ4千と言われている。つまりそれだけの観客が連日連夜、ここマチェラータに集結するわけだ。当然、街は歓迎ムード一色、出店、土産屋、カフェなどが軒を連ね、多くの人で賑わっている・・と想像するのが普通だろう。
 
 午後3時半にホテルに到着し、長旅疲れも物ともせずに街に繰り出すと、そこはまさにゴーストタウンだった。お店のシャッターはことごとく閉まっていて、道行く人はほとんど見当たらない。どういうこっちゃ??
(写真をご覧ください。決して人をアングルから避けて撮ったわけではありません。)
 
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 例え音楽祭が開催されていようと、マチェラータは典型的な普通のイタリアの小都市であった。
 つまり、平日の場合、お店は午前中営業し、お昼になったらいったん閉まって長い休憩時間に入る。その後、夕方に再び開いて午後8時くらいまで営業する。土曜日の営業は午前中のみ。そして日曜日は終日お休み。
 私がブラ歩きした時間はちょうど休業時間帯だったわけだ。店が開いていなければ、道行く人も現れない。
 
 人がいないガランとした石畳の街をお散歩する。静かでのどか。それはそれで、また趣きがあって良い。
 
 城壁で囲まれた旧市街はとてもコンパクトで、15分も歩くともう端に辿り着いてしまう。わずか2時間ほどのお散歩で、市内の見どころのほとんどを巡ってしまった。
 
 マチェラータの滞在はもう一日ある。よし、明日はバスに乗って少し郊外に足を延ばしてみるか。マチェラータから15キロほど離れたところにレカナーティという小さな町がある。オペラファンならその名を聞いたことがある伝説のテノール歌手ジーリの生誕地で、彼の博物館がそこにあるそうだ。行ってみようではないか。
 さっそく私はマチェラータの観光案内所を訪ね、担当者に聞いた。
 
「すみませーん、明日レカナーティに行きたいのですが、郊外バスの発着時刻スケジュールとバス停の場所を教えてくださいな。」
 
「えーと・・・。すみませんね、わかりません。ここから200メートル行ったところに旅行会社の営業所があります。そこなら情報をくれますから、そこへ行ってください。」
 
「・・・・。」
 
 なんか追い払われた感じがした。本当に情報を持っていないのか?おい。 単に担当のオマエが知らないだけじゃないのか??
 
言われたとおりその旅行エージェンシーを訪ねた。
営業所は、お休みで閉まっていた・・・。
・・・。  てっめー。
 
 まあいいや。仕方ない。明日はもう一日ここマチェラータ市内に留まろう。静かでゆったりとした時間が流れる小さな街を再びのんびり散歩しよう。中世の街並み、古い建物、教会の鐘の音、石畳の狭い道、この街には情緒が満ち溢れている。で、疲れたらベンチで休み、教会で佇み、カフェで読書し、ビールを飲み、ホテルで昼寝して過ごそう。
 
 午後6時、いったんホテルに戻って仮眠。オペラの開始は午後9時から。