電車でドイツから南下していき、はるばるフィレンツェまでやってきたが、帰国のためにもう一度ドイツに戻らなければならない。(成田とフランクフルトの往復便だったため)
フィレンツェ午前6時35分発の飛行機に乗るために、午前4時起床。前日夜、ちゃんと目覚まし時計のアラームをセットして寝床についたのだが、「寝坊はまずい。ちゃんと起きなければ」という意識が強く働いてしまった結果、熟睡できなかった。猛烈に眠い。
・・・と言いつつ、そういう時間帯の飛行機をあえて選択したのは、何を隠そうこのオレである。その便は安かったのだ。仕方あるまいて。(あー、価格を厭わない身分になりたい。)
しかし、この日の対戦相手は下位チームで、対戦カードの魅力に乏しい。さらに、フランクフルトから結構遠いことや、ドルトムントのスタジアムは過去二度訪れていて新鮮味がないことなども、イマイチだった。
だが、何と言っても、シュトゥットガルトには岡崎と酒井、ヴォルフスブルクにはレッズ出身の日本代表キャプテン長谷部がいる!日本人選手3人の勇姿を一挙に見られる千載一遇のチャンス!さらに、シュトゥットガルトはフランクフルトから遠くなく、ここでの観戦も初めて。
決まり。軍配は「日本人対決」に上がった。
フランクフルトの宿泊ホテルに荷物を降ろし、今回の旅行で二回目となるシュトゥットガルトに電車で向かって、正午前に到着。
試合開始(15時半)まで時間に余裕があったので、その前に、とある観光名所を訪れた。それは、スタジアムのすぐそばにあった。
「シュトゥットガルトと言えば、何?」
すぐにお判りの方も多かろう。答えは「車」。ここは、ドイツが誇る世界の名車、クルマ好きの憧れ、そしてエグゼクティブやVIPのステータスシンボル、メルセデス・ベンツを製造するダイムラー社のお膝元なのである。
スタジアムがあるエリア一帯は、ダイムラー社の広大な敷地内のようなもの。当然、スタジアムの名前は「メルセデス・ベンツ・アリーナ」。(以前は違う名前だったので、ネーミングライツを取得したのかも。)ストリートの名前も「メルセデス通り」。
私が訪れたのは、その敷地の一角にある「メルセデス・ベンツ博物館」。
それにしても、庶民のオレにはまるっっっきり縁がない車だよな。完全に「高嶺の花」。我が愛車なんか国産の「軽」だもんね、まったく。
(どういうわけだか、私の知り合いで、「高嶺の花」のオーナーがいる。それも、よーーく知っている人で。あんまり見栄を張らん方がいいと思うがのう・・。おっと、口が滑った!(笑))
ま、せめて博物館で、展示されている数々の名車を拝ませてもらおうではないか。こっそり触って、ピッカピカのボディにオレ様の指紋の跡をべっとり残しといたろ。へっへー、だ。
ベンツ博物館は、2006年にリニューアルオープンとなって以降、市の屈指の人気観光スポットになっているとのこと。この日もたくさんの人が訪れていて、館内は賑わっていた。
入場券を買い、多くの言語に対応した携帯オーディオガイド(無料-もちろん日本語もある)を借りると、エレベーターで一気にビルの最上階へ。ルートに従い、順に階を降りていきながら見学していくと、ベンツの輝かしい歴史と発展をしっかりと学ぶことができるというもの。年代ごとのフロアには、当時の出来事や事件なども併せてパネル展示されていて、自分の生い立ちにも照らし合わせることが出来、非常に興味深い。
日本人にとってはベンツ=高級車というイメージだが、製造車の中にはトラックやバスもあってなかなか面白い。もちろん、F1などのレーシングカーも数多く並んでいて、ファンにとってはたまらない。
レストランやカフェ、ショップなども充実しているので、時間があれば一日遊べそうだ。
展示された名車のボディに私が訪れた証をたっぷり付けて大いに満足した私は、博物館内のカフェで一息入れた後、いよいよ旅行のラスト・イベント、サッカー観戦のため、スタジアムに向かった。