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欧州トップクラブへの移籍について

ワールドカップ最終予選の初戦、負けちゃったね(笑)。しかもホームで。
チームの出来や監督の戦術等に対する批判や文句は、きっとネット上で大噴出していることだろう。なので、ここでは触れない。皆にお任せします。

本日のトピックスは、「移籍について」である。
つい先日、ボローニャに在籍していた富安選手が、イングランド・プレミアリーグアーセナルに移籍することが決まった。

アーセナル。名門である。
ちょっと最近は不甲斐ないが、輝かしい伝統を誇り、イギリス国内のみならず世界中に多くのファンを持つロンドンのビッグクラブだ。

こうした欧州トップリーグの名門強豪チームに移籍してプレーするのは、選手にとって夢であり、憧れであり、究極の目標だろう。チームの一員になれば、この上ない名誉。その先には栄光が待っている。活躍すれば、名声も巨額なお金も手に入る。そうやって、世界中のプレーヤーが情熱を燃やし、日夜頑張っている。

日本人も、海外に挑戦する選手は、今やまったく珍しくなくなった。欧州のどこかに行くだけなら、むしろ普通の出来事になってきた。すごい時代になったもんだ。

だが・・・。
これが、各国リーグのトップエリートチーム、チャンピオンズリーグの常連強豪チームとなると、俄然話は別になってくる。とてつもなく高い壁。甘くないのである。
特に、日本人選手にとって。現実的な問題として。残念なことに。

まったくそこに辿り着けない、というわけではない。これまでにも何人もの選手が、周囲の驚きを伴いながら、そうしたチームと契約した。
問題はその後。彼らはそこで活躍出来たのか。その結果は一目瞭然だ。

R・マドリードに移籍した久保選手、リヴァプールに移籍した南野選手、PSVに移籍した堂安選手、FCポルトに移籍した中島選手、マンチェスター・シティーに移籍した板倉選手・・・。
過去においても、マンチェスターUtdに移籍した香川選手、アーセナルに移籍した稲本選手、ジャガー浅野選手、チェルシーに移籍した武藤選手、バイエルンに移籍した宇佐美選手・・・。
彼らは、レギュラーを勝ち取り、中心選手となって活躍したか??
ことごとく壁に跳ね返された。ほぼ壊滅と言っていい。

数少ない例外として、ドルトムント時代の香川選手と、インテル時代の長友選手は一時期輝いたが・・・それくらいだろう。(フェイエノールトの小野選手、セルティック中村俊輔選手、マルセイユの酒井選手も加えてあげたいが、所属クラブが欧州のトップエリートチームかどうかは若干微妙ではある。)

どうなんだろう。それって失敗を意味するのではないか。
彼らからすれば、「そんなことはない。学んだこともあるし、挑戦は意義があった」と否定するだろうが・・。

ステップアップは、選手にとってチャレンジであり、不可欠な情熱だ。そうした野心を失えば、選手として終わり。だから彼らは例え無謀と言われようと、上を目指す。
で、その挙げ句、ほぼ例外なく「ベンチ」という苦しい壁にぶつかる。
やがて、レンタル放出されたり、再び中堅チームに移籍したりして、活躍の場を模索するのだ。

なんつうか・・こんなことを言っては身も蓋もないし、失礼かもしれないが、本当にそこでレギュラーを勝ち取れる自信があって移籍を決断するのか? 諸君。

例えば、今やフランクフルトのレジェンドになりつつある長谷部選手のような道はダメなのか?
シュトゥットガルトでキャプテンを任せられ、替えのきかない地位を確立させつつある遠藤選手のような道はダメなのか?
ボローニャに留まり、ボローニャの絶対的な選手になるんじゃダメなのか、富安くん?
フランクフルトでほぼポジションを勝ち取った鎌田選手も、なんとなく虎視眈々と「次」を狙っている気配があるが・・・フランクフルトで活躍し続けるんじゃダメなのか?

プロの選手って、出て活躍してなんぼじゃないの?

もっとも移籍というのは、選手本人だけの問題じゃないからなあ。
安く買って高く売りたいクラブの思惑もあるしねえ。
難しいのう・・・。