指揮 ヴォルフガング・ボージッチ
フレディ・ケンプ(ピアノ)
モーツァルト ピアノ協奏曲第23番
ビミョーな言い回しだ。おそらく「さしたる特徴もない試合」という意味なのだろうが、面白く活用しやすいので、パクらせてもらおう。
「この日のケンプのモーツァルトは肉でも魚でもない。」
それよりも面白かったのは、演奏が終わり、盛り上がらないカーテンコール後、アンコール曲を披露する時になって、ケンプが聴衆に曲紹介を日本語で行った・・・はよかったのだが、「ベートーヴェンの・・・悲愴の・・・・・」と、ここで詰まってしまった。言葉を忘れてしまったらしい。しばし沈黙の後、何となく思い出して「ダイニゴウシャ」になってしまった・・・。二号車って・・(笑)。
もちろん本人は「第二楽章」と言いたかった。残念。フレディ・ケンプ、捲土重来を期す。頑張れ。
この日のメイン家庭交響曲も、大編成ならではの豊潤かつ絢爛なシュトラウスサウンドを楽しむことが出来た。曲の中のあちこちに、シュトラウス特有の「描写」が散りばめられている。それが妻のテーマであったり、子供のテーマであったり、喧嘩だったり、愛の交換だったりするわけだが、別にそれらを一々チェックする必要もなく、カラフルなオーケストレーションを純粋に味わえばそれでいいと思う。特に、都響の木管のソロパートはみな上手で、華やかな彩りを添えていた。