クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

エヴァ・メイ

 3月7日、読響の名曲シリーズコンサートに行ってきた。読響主催公演であるが、実質エヴァ・メイのソプラノリサイタル(オペラアリアの夕べ)である。
 通常ならこのブログでは公演鑑賞記として感想を書くわけであるが、本日はあえて記事タイトルを「エヴァ・メイ」にして、彼女の魅力そのものについて書くことにした。
 
 おそらく、間違いがなければ、私は彼女が来日した際には少なくとも必ず一公演は足を運んでいるはずである。たぶん。
 サントリーホールオペラの「愛の妙薬」、ローマ歌劇場の「リゴレット」、藤原歌劇団チューリッヒ歌劇場の「椿姫」、そして今回のようなリサイタルなどなど。
 
 かように足繁く公演に出向いているのは、ズバリ、単純に彼女の声と歌が好きだからだ。(あ、あとルックスも(笑)。)
 
 可憐な声。清楚な響き。高音でもフォルテでも決して声を振り絞ったり強く叫んだりすることがない。自然で、限りなく美しく整った歌声。弱音はさらに心地よく、あたかも羽毛のような柔らかさ。ベルカント(美しい歌声)とはまさに彼女の声のことだと思う。
 
オペラでは、か弱い悲恋のお嬢様の役がお似合い。ヴィオレッタ、アダルジーザ、ジュリエッタ(カプレーティ家とモンテッキ家)、アミーナ(夢遊病の女)など。
 かと思えば、明るくて陽気な女の子役も結構イイ感じ。アディーナ、ノリーナ、マリー(連隊の娘)など。
 ご本人は、「皇帝ティートの慈悲」のヴィテリア(悪女役)も気に入っているとのこと。私も映像(テューリッヒ歌劇場)を見たけど、確かにハマっていて、彼女の多様性を存分に示していた。
 
 イタリア国内で活躍しているかと思いきや、スケジュールを見るとチューリッヒが主たる活動拠点になっているようだ。チューリッヒ歌劇場は劇場空間がそれほど大きくないので、彼女のソフトな声量にうまくマッチしているのではないかと思う。
 
 聞くところによると、旦那さん=今回の指揮者ジェラール・コルステンはオーストリア人=のおかげでドイツ語も非常に堪能らしく、プログラムの略歴を見ると、ベートーヴェンの第9やミサ・ソレ、ブラームスのドイツ・レク、R・シュトラウスの4つの最後の歌なども歌っているとのことであるが、あんまりイメージが沸かないなー。今後とも是非ベルカントの王道を極めていただきたいと思います。