クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2010/11/13 N響

2010年11月13日  NHK交響楽団   NHKホール
指揮・ピアノ  アンドレ・プレヴィン
武満徹  グリーン
ガーシュイン  ピアノ協奏曲ヘ調
 
 
 N響のプロコ5番というと、2002年にパーヴォ・ヤルヴィが指揮した定期公演の演奏が思い出される。ピンと張り詰めた緊張感みなぎる演奏で、あたかもステージから青白い炎が放たれているかのようだった。「パーヴォ・ヤルヴィ侮れず」という鮮烈な印象が今も残っている。
 
 今回、知名度と実績ではヤルヴィの上を行くN響の首席客演指揮者プレヴィンの演奏に、否が応にも期待が膨らむ。
 
 N響のやる気、意気込みはよ~くわかった。ヴァイオリンの最前列にN響の顔であるコンマス3人がずらりと並んだ。壮観である。
 肝心の演奏からも、N響のやる気、意気込みはよ~く伝わった。プレヴィンへの最大級の敬意の表れなのだろうか、久々にこのオケの底力が見られた。持っている力の総結集、見事なまでの一致団結ぶりである。いやあびっくりだ。普段ふんぞり返って演奏することが多いプライド軍団、今回はいったいどうしちゃったのだ!?
 とにかくN響やるときゃやる。やった時のN響はさすがである。こりゃN響恒例の、アンケートによる年間コンサートベスト10、栄えある第一位決定か??(今年はあまり行っていないので、他の公演がどうだったのか全然知りませんが。)
 
 コンサート終了後、家路につきながらプログラムを読んで、なるほどそういうことかと合点がいった。N響はプレヴィンと今回の曲目で、来年3月に北米演奏旅行に出かけるらしいのだ。つまり、この公演はそのリハーサル、ゲネラルプローベだったということ。気合が入るのも当然ということか。
 
 プロコと同様に期待されたガーシュインについては、80歳を超えるプレヴィンにヴィルティオーゾなど望むべくもない。やる気がみなぎるN響の厚い響きにせっかくのソロが埋没気味。しょうがないですね。
 
 指揮台にたどり着くのも一苦労のマエストロ、見ていて痛々しいくらいであったが、出てくる音から判断すると、頭の中はまだまだ冴えている様子。来年の演奏旅行が成功するようお祈りいたします。