クラシック、オペラの粋を極める!

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2010/10/24 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス1

2010年10月24日  NHK音楽祭 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス  NHKホール
合唱  アーノルド・シェーンベルク合唱団
ドロテア・レシュマン(ソプラノ)、エリザベート・フォン・マグヌス(ソプラノ)、ベルナルダ・フィンク(アルト)、ミヒャエル・シャーデ(テノール)、フロリアン・ベッシュ(バス)
バッハ  ミサ曲ロ短調
 
 
その時、NHKホールで時空を超えた思索の時間が流れた。
「奇跡の」とか「神憑りの」とかいった形容はそう簡単に使うべきではないと思うが、でも私の貧しいボキャブラリーでは他に形容する言葉が見つからないので、やっぱりそう言わせていただく。
 
 とにかく何がすごいって、オケも合唱もソリストも全てがアーノンクールの音楽そのものだということ。特にオーケストラのコンツェントゥス・ムジクスは文字通り‘彼のオーケストラ’だけあって、呼吸や奏法が見事に統一されている。まさに類稀なる楽団。ウィーン・フィルとの共演もあるが、彼の真髄を聞きたかったらコンツェントゥス・ムジクスしかないだろう。
 
エストロアーノンクールに対しては、ただただ畏敬の念しかない。バッハへの情愛、その極限的とも言える探求に、我々が出来る事は、頭を垂れ平伏しながら耳を傾けるのみ。
 
 カラヤンバーンスタインクライバーチェリビダッケ、ヴァントなどの巨匠の演奏に遭遇するたび、音楽史の一編に立ち会う重みを感じたが、今回のアーノンクールもそういうことになった。聞くところによると、「今後、もう来日しない」そうである。ならば、一音一音の響きを記憶に残そう。幸い、そのチャンスが私にはもう一回ある。