2010年10月22日 新日本フィルハーモニー交響楽団 すみだトリフォニーホール
ペーター・レーゼル(ピアノ)
リーム 変化2
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番
ソリスト、ラドゥ・ルプーの来日キャンセルは、楽しみにしていただけに残念だった。前回もキャンセルで裏切られたんだよなー。
ピアノに関して言うと、私は色彩豊かで、華麗さ、緩急を備えた曲や演奏が好きなので、ベートーヴェンを演奏活動の核に据えるピアニストはどちらかというと敬遠傾向にある。「いぶし銀」と言えば聞こえがいいが、真面目すぎて面白くないからだ。
ペーター・レーゼルも、勝手な先入観でそういうピアニストだと思っていた。実演を聴いて、そういう面も一部見られるが、ニュアンスはもっと幅広く、奥深かった。特に第3楽章はフィナーレに向かって突き進む白熱さもあり、十分面白かった。
指揮者アルミンクも、ベートーヴェンを堂々真正面から取り組み、彼が考える音楽がきちんと構築されていた。
だが、改めて思ったが、ベートーヴェンは、人間で言うと、服で着飾った状態ではなく、裸の素のままの状態にて真価を問われてしまうので、実に厳しい。
普段、新日フィルの公演に接していて何の不満もなく聴いているのだが、この日のベートーヴェンで、純粋にオケのクオリティ面(特に弦楽器)で今一歩の印象を受けた。楽団が目指す方向性やプログラミングについては常日頃より高く評価しているので、ぜひ今後も極みの演奏を目指して精進していただきたいと思う。(偉そうなこと言ってすみません)