クラシック、オペラの粋を極める!

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2010/8/12 ドン・ジョヴァンニ

2010年8月12日  ザルツブルク音楽祭
モーツァルト  ドン・ジョヴァンニ
指揮  ヤニク・ネゼ・セガ
演出  クラウス・グート
管弦楽  ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
クリストファー・モルトマン(ドン・ジョヴァンニ)、エルフィン・シュロット(レポレッロ)、アレクサンドラ・クルザック(ドンナ・アンナ)、ジョエル・プリエト(ドン・オッターヴィオ)、ドロテア・レシュマン(ドンナ・エルヴィーラ)、アンナ・プロハスカ(ツェルリーナ)  他

 
 もともと観る予定ではなかったため、気分的には楽だった。あくまでメインは夜のエレクトラダブルヘッダーで両方気合いを入れたら、疲れてしまいますから。
 
 ・・・と思っていたのだが、音楽が始まった瞬間から引き込まれてしまう。「うっわあ、うっまいっ!!」
忘れていたが、オケはウィーンフィルだった。ウィーンフィルが奏でるモーツァルトのその絶品さときたら!!
 考えてみたら、バイロイトでのワーグナー、そしてザルツブルクでのウィーンフィルによるモーツァルト・・・これ以上の極上品があろうか!?本当にブッ飛びました。それにしても贅沢です。
 
 ヤニク・ネゼ・セガンの音楽は、1月にニューヨークで聴いたカルメンと基本的に同じ。音が躍動している。表情も豊かで、指揮している顔やきびきびとしたタクトそのままが音になるって感じ。
 
 演出も奥が深い。全ては森の中での出来事。場面転換は回り舞台で森を回しているだけなのだが、木々というのは角度を変え照明を変えるだけで、全く違う表情を見せる。演出家の目の付け所は鋭い。
 登場する女性たちが、みなドン・ジョヴァンニに引き寄せられ、歌っているセリフとは裏腹の態度を見せるところが実に意味深。最近の演出家はわざと舞台を簡素化させ、抽象化させることで登場人物の深層心理に迫ろうとするのが流行っているが、コンセプトをしっかり提示し、細かな演技によって、人物の内面に迫るグートのやり方は実に秀逸である。現代最高の演出家との評判はダテではない。
 
  ドン・ジョヴァンニが地獄に堕ちたところで幕が降りるというウィーン版を観たのは初めて。知らなかったので、拍手が起こったときは一瞬呆気にとられた。だが、ドン・ジョヴァンニは演出家の解釈によって、瀕死の重傷を負ったまま物語が展開しているため、このエンディングは納得がいく。
 歌手陣はみなレベルが高くて良かったが、ネトレプコの旦那のシュロットが演技が上手で実にいい味を出していた。

 
 
 ところで、話は変わりますが、現在、マイパソコンが不調です。
 今日はなんとかアップできましたが、ちょっと今後が心配です。もう9月中旬になるので、早く旅行記を終わらせたいのですが・・・。