クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

ユベール・スダーン

 雑誌モーストリークラシックが、先月号で「世界のオーケストラランキング」を特集していた。こういう調査をすれば、好みの差、程度こそあれ、たいていの場合はウィーンフィルベルリンフィルを筆頭に、コンセルトヘボウやシカゴ響など誰もが知る名門オケが上位を独占することになろう。
 だが、もしそこに一つの条件-「○○が振った場合」という条件を付け加えるならば、事はそう簡単ではなくなる。
 ベルリンシュターツカペレ、ミュンヘンフィル、そしてスカラフィル。
 これらについては、一般的にはベストテン圏外になってしまうかもしれないが、もしそれぞれに「バレンボイムが振った場合」、「ティーレマンが振った場合」、「ムーティが振った場合」という条件を付けたら、私は迷わずトップテン内に推す。(あくまでも個人的意見、ね)

 もっとも、ティーレマンムーティも、既にそれぞれのオケとは袂を分かつてしまったのだが・・・。残念っ。
 
 
 以上が前置き。翻って日本の場合。
 一般的には日本のトップオーケストラはどうやら「N響」ということになっているらしい。だが、もし「スダーンが振った場合」、東響交響楽団はにわかに他のオケを押し退けて、トップを窺う名器に早変わりする。(あくまでも個人的意見、ね(笑))
 
 スダーンはオーケストラの音色を自分色に染め上げることが出来る稀少な指揮者だと思う。
 なぜこのような魔法を駆使できるのか?私が考える理由は三つ。
まず、スコアの掌握能力に長けており、ぶれることなく確信を持って音楽を解釈できること。次に、タクトが雄弁で分かり易く、表現力豊かで身振りだけで全てを伝達出来ること。そして、熱いパッションを持っていて、演奏者も聴衆も彼に惹き付けられること。
 
 以前のブログで、スダーンは「画家だ」と書いたことがある。「高度な戦術を駆使するサッカー監督」と書いたこともある。空中にパッと手を投げ出すそこから音が生まれるため、「花咲かじいさん」と書いたこともある(笑)。
 先日のブル9を聴いて、もう一つ思った。スダーンは「先生」だ。音楽を明晰明瞭に解析して聴衆に分かり易く伝え、音楽とは何かを教えてくれる。「そういうことだったのか!!」
 分かり易いニュース解説で今テレビでお馴染み引っ張りだこ、書いた本も軒並みベストセラーの元NHK記者池上彰さんに何となく似てますな(笑)。