クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2009/12/18 パリ2

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 毎度のことであるが、時差の関係で現地の時間にすぐに対応できず、朝4時には目が覚めてしまう。衣類が入っているバッゲージが手元に無く、着替えが出来ないため、洗面所でこれまで着ていた下着類を洗濯。その後洗った物をドライアーで乾かす。なかなか乾かず、30分くらい延々とドライアー作業を行いながら、だんだんとムカついてくる。こんな朝っぱらから、なんでこんなことをやっているんだオレは。怒りの矛先がやっぱりエールフランスに向く。

そのエールフランスであるが、バッゲージサービスで、歯磨きセットなどの洗面用具の他、Tシャツ一枚をくれた。これは助かった。

 外は、昨日に引き続き雪。
 これでは市内の散策は大変だ。今日は一日美術館に籠もるしかないか。
 洗濯が終了し、ホテルの中ですることのない朝の時間を持て余していたため、朝早くからオープンしている美術館に一刻も早く出掛けたい。しかも長い時間立て籠もることができる美術館-そんな美術館は一つしかない。そう、ルーブルだ。

 市内の美術館などがストに入っているというニュースを日本でやっていたが、既に解除になっていたようで、午前中いっぱいをここで過ごした。その後、グラン・パレで開催されているルノアール展に出掛け、遅い昼食を取って午後3時にホテルに戻る。

 とにかく自分のバッグが無事にホテルに届いているかが気になって仕方がない。戻るやいなやレセプションの人に聞いてみたら、案の定「届いていません」との返事。

「はあ~~あ(深いため息)」

やれやれ、やっぱりそうか。どうしてフランスは期待どおりに物事が進まない国なのだろう?腹が立つ。むかつく。

 こういう有事の際の外国語駆使能力は私には備わってない。
 私はホテルのレセプションの女性に10ユーロのチップを手渡し、「すみませんが、エールフランスに電話してどうなっているのかを聞いてもらえませんか?」と頼んだ。チップの威力は絶大。すぐに対応してくれる。
 エールフランスからの返事。
「お客様のバッグが現在どういう状態にあるのかが確認できず、届けられる状態にありません。」   

ぬあんだとぉ??意味が分からん。

以下、ホテルのレセプション係の人を中に介しての会話。
私「バッグは今どこにあるのですか?」
AF「分かりません」
私「今日中に届けてくれるのですか?」
AF「お約束できません」
私「困ります。絶対に困る。何とかしてください。」
AF「お客様の携帯電話番号を教えてください。」
私「持ってねえってばさ!」

うなだれる私。哀れに思ったのか、レセプションの女性は「また時間を置いて電話をし、交渉してあげるわよ。トライするから。ね!」と声を掛けてくれた。やさしいのか、それともチップの威力なのか・・・。

 ホテルの室内に戻って、夜のオペラに備えるため休んでいたら、午後6時くらいにレセプションから内線がかかってきた。「エールフランスが明日の滞在先のホテルの住所を知りたがっています」だって。
 私は再びレセプションに出向き、翌日スイス・チューリッヒの滞在ホテルの連絡先を提示。係がそれをエールフランスに電話で伝えてくれた。

 だが、この瞬間、私は覚悟をした。

 「私のバッゲージは失われた。」

 明日、チューリッヒに行ったら自分の荷物がそこに届けられる-そんなことは幻想だ。甘っちょろい期待は絶対に裏切られる。

ちなみに-

バッゲージに入っていた物
衣類全部(下着、靴下、シャツ、スラックス、セーター等)、ネクタイ、傘、洗面用具、薬、オペラの眠気対策のためのマル秘グッズ(カフェイン入りガム、滋養強壮剤、眠気除去ドリンク、おでこに貼る冷却シート等)、目覚まし時計、本、ガイドブック、オペラグラス

手持ちのセカンドバッグにある物
貴重品(パスポート、お金含む)、書類関係、チケット、カメラ、スリッパ、電気シェーバー

身につけていた物
ジーパン、ラフなシャツ、ジャケット、マフラー、手袋、コート、防寒帽子

 上記のとおり、チケットを含む貴重品や書類関係が手元にあって無事だったのは何よりも幸い。着る物のことさえ目をつぶれば、旅行は続けられるのだ!とにかくそれでいくしかない。劇場にはラフな格好で行くことになるが、背に腹は代えられない。やむを得ない。

私はそう腹をくくりながら、夜のパリ・オペラ座に出掛ける準備を始めた。