クラシック、オペラの粋を極める!

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2009/12/18 アンドレア・シェニエ

2009年12月18日  パリ・オペラ座  バスティーユ劇場
ジョルダーノ  アンドレア・シェニエ
指揮  ダニエル・オーレン
演出  ジャンカルロ・デル・モナコ
マルセロ・アルヴァレス(アンドレア・シェニエ)、セルゲイ・ムルサエフ(カルロ・ジェラール)、ミカエラ・カロージ(マッダレーナ)、フランチェスカ・フランシー(ベルシ)、マリア・ホセ・モンティエル(マデロン) 他


 ジャンカルロ・デル・モナコ演出のアンドレア・シェニエは、ボローニャ歌劇場における来日公演でご覧になった人も多いだろうし、DVD映像にもなっている。
 今回のパリ版は、それとは多少の手直しを行った程度のマイナーチェンジ。舞台装置や細かなドラマトゥルギの設定を変更しているものの、基本的なコンセプトはそれほど大きく変わっていない。

 このデルモナコ演出の大きな特色は最終幕。シェニエとマッダレーナが死刑宣告を受けながらも、それを乗り越え、牢の柱を登って未来に手を伸ばし、希望をつなぐという輝かしいクライマックスシーン。この場面についてはボローニャ版と全く同じであったが、訴えかける力が大きく、非常に印象的かつ感動的であった。

 歌手ではマッダレーナを歌ったミカエラ・カロージが、正直あまり期待していなかったのだが、素晴らしい出来。今年のスカラ座来日公演でも名を連ねていましたね。
 最大のビッグネーム、マルセロ・アルヴァレスは、演技も歌も軽くて、なんだかイマイチだったが、拍手は一際大きかった。ネームバリューを持っている人は強いです。

 ダニエル・オーレンは、昔からどうもイケイケドンドン的なタクトが気になり、あまり好きではなかったのだが、年を取ったせいか落ち着いてきて、円熟の雰囲気。元々スコアの読解能力は非常に高く、全てのオペラを手玉にとってころころ転がせる指揮者なので、このままいい味を出し続けてくれれば、ひょっとするとN・サンティみたいになるかも・・かも・・??


 パリ・オペラ座、特にバスティーユ劇場は、もともと「普通の市民でもオペラを楽しむことが出来る劇場を目指し、チケット価格もやや抑えて」というコンセプトでスタートしたこともあって、カジュアル度が高い。他の欧州の老舗の劇場に比べ、格段に若い人が多い。いいことである。

 おかげで、ノーネクタイにジーパンの私も、全く変な目を向けられずに楽しむことが出来ました。