2009年11月7日 東京交響楽団定期演奏会 サントリーホール
指揮 ユベール・スダーン
ゲルハルト・オピッツ(ピアノ)
ブラームス ピアノ協奏曲第1番
シューマン 交響曲第2番(マーラー版)
すばり、「The・名演!」だった。(この文句を使うのは今年二度目だ。)
読響とスクロヴァ、日フィルとラザレフ、東フィルとチョン、都響とインバル、新日とアルミンク・・・在京オーケストラとそれぞれの音楽監督が奏でる渾身のステージはどれも魅力的だが、そんな中でも東響とスダーンのコンビは群を抜いていると言っていい。
オーケストラと指揮者の協同作業がうまくいくと、かくも素晴らしい創造物が生まれる-このことをスダーンはいつも教えてくれる。
偶然の産物ではない。スダーンの頭の中には結果=完成品が予め出来上がっている。
時々、指揮者が考えていることと、出てくる音に乖離が見られる公演に出くわすことがあるが、このコンビに限ってそういうことは絶対にない。スダーンには、自分が考える音楽に100%仕立て上げる能力がある。百聞は一見にしかず、だ。スダーンの指揮ぶりをみれば、誰もが納得、「なるほど」と思うだろう。
一曲目のオピッツの協奏曲も堂々たるものだった。ただ、なんつーか、いかにもこてこての保守派(笑)。オペラでいうと、原作に忠実な伝統的演出。欲を言えば、革新的な解釈で作品に新たな光を照らして欲しい気もするが・・・無理か(笑)。