クラシック、オペラの粋を極める!

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2009/10/8 ニューヨーク・フィルハーモニック

2009年10月8日 ニューヨーク・フィルハーモニック  サントリーホール
指揮 アラン・ギルバード
エマニュエル・アックス(ピアノ)
リンドベルイ EXPO
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番
マーラー 交響曲第1番


 今シーズンから新音楽監督に就任したアラン・ギルバード。就任して間もないのに、早くもマゼールとは異なるサウンドが引き出されていることに気付く。それほどバトンテクニックに優れているとは見受けられないが、全身で表現するその音楽性はとても豊かで、才能が感じられる。名門オーケストラなのに世界的なビッグネームではなく、若手アメリカ人(日系人でもある)を登用した楽団の指向性は間違っていないと思う。
 
だがオケの中には、「ボスが替わろうが、自分の演奏スタイルは変えませんよ。」とばかりに、まわりとのアンサンブルには目もくれずにギンギラギンに吹いている人がいた。
 もともとNYフィルって、かつてこのような「音でかすぎ!」とか「ビブラート鳴らしすぎ!」みたいなクセのある首席奏者の集まりみたいだったが、さすがに減ってきた。それでも恐竜の生き残りがいるというわけだ(笑)。
 「吹いている」っていうことは管楽器。ニューヨークフィルハーモニックの恰幅の良い名物ホルン奏者、そう、君だよ君!たしかメータの時代からいたような気がするが。

 壮麗なマーラーに加えて、アンコールで元気のいい「星条旗よ永遠なれ」まで演奏し、派手に鳴らしまくった金管楽器の連中はさぞや気持ちよかったことだろう。また、ゴージャスなサウンドが好きなファンはさぞや痺れたことだろう。
 私はというと、「まあこれこそがアメリカのオケの特徴なわけで・・・」と苦笑いしながら、やれやれと会場をあとにしました(笑)。

 もう一つのアメリカの雄、シカゴ響は果たしてムーティになってどんな音になるのだろう?それがやけに気になった。早く来日してほしいものだ。