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2024/5/17 オランダ国立歌劇場 プッチーニ「三部作」

2024年5月17日   オランダ国立歌劇場
プッチーニ  三部作(外套、修道女アンジェリカ、ジャンニ・スキッキ)
指揮  ロレンツォ・ヴィオッティ
演出  バリー・コスキー
ダニエル・ルイス・デ・ヴィセンテ(ミケーレ、ジャンニ・スキッキ)、ジョシュア・ゲレーロルイージ、リヌッツィオ)、レア・ホーキンス(ジョルジェッタ)、エレナ・スティヒナ(アンジェリカ)、インナ・デメンコヴァ(ジェノヴィエッファ、ラウレッタ)   他

 

プッチーニ没後100年である。
だからといって、別にそこを意識して本公演を目掛けたわけではないが・・・。
記念年ということで、ここぞとばかりに「トスカ」や「ボエーム」、「蝶々夫人」などをやる劇場はいっぱいあるだろう。そうした作品は記念年でなくてもいつでもどこでもやっているわけでさ。こういう「三部作」みたいな演目をさりげなく上演してくれる劇場は、カッコいいと思うねー。


指揮者のヴィオッティはこの歌劇場の首席指揮者だが、来シーズン(2024-25シーズンの末)をもって退任することが発表されている。
将来を嘱望される前途洋々の指揮者(かつイケメン)として、日本でも一時期話題になった。そんな彼がオランダ国立歌劇場の首席指揮者に就任したことで、今後のオペラ活動に期待が高まったのだが、契約更新に至らず、一期のみであっけなく終わりを迎えることになった。理由や真相については、よく分からない。

私は1度だけ、2019年7月に東響を振った公演を聴いた。
この時のブログ鑑賞記に、「2021年シーズンからオランダ国立歌劇場の首席指揮者就任が決まっているが、果たしてアムステルダムで聴く機会が訪れるだろうか?」と書いた。

退任が決まっているものの、その機会はかろうじて訪れたというわけだ。


そのヴィオッティの音楽。明暗、濃淡のコントラストが鮮やか。
外套やアンジェリカの出だしなど、ピアニッシモで奏でられるソフトな場面での音の美しさは息を呑むほどだった。
また、テンポやうねりなどの表現も大げさではなく自然で、盛り上げ方は物語や音楽に上手に語らせている感じだった。


演出は、簡素かつ抽象的な舞台装置を使用した、ありがちな現代演出。ただし、変な読替えは無しで、人間ドラマにしっかりとフォーカスしているので、とても見やすい。
外套は、照明によって光と影を巧みに作っていて、登場人物の苦悩をよく表現していたと思った。


歌手についてだが・・・まあ正直に言うと、特段「この人が良かった!」というのはいなかった。
強いて言えば、アンジェリカを歌ったスティヒナは、まあ良かったとは思うが・・そもそもアンジェリカという役が良い役だからねー。そこに惹かれたというのは、多分にある。


話題を指揮者のヴィオッティに戻す。
彼はこの後、オランダ国立歌劇場の「三部作」チクルスの最終公演を2日後(19日)に控えているが、その翌日20日と21日には、ベルリンでシュターツカペレ・ベルリン公演の指揮をすることになっている。

いやいやいや・・・。
売れっ子でお忙しいのは分かるけどさぁ、SKBのリハ、いったいいつやるの?? 当日のゲネプロだけ? それとも明日慌ただしくベルリンに飛んでとんぼ返りするのかね?
何だかそういうのって、「ちょっといかがなものでしょうかねえ・・」と思うのでありました。